藤 井 さ ん の ペ ッ ト

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望さんに促され
リビングのソファーを覗くと
キレイな顔を崩すことなく
スヤスヤと寝ている藤井さん。



鍛えられた色白な肌に
グレーのタンクトップが映える。



『 藤井さん、朝ですよ。起きてくださいっ 』



「 ………… 」



望さんが
藤井さんは朝が弱いと言ってたけど
見事に反応が無い。



『 藤井さーんっ、あーさーでーすーよぉーっ 』



遠慮がちに
人差し指でツンツンと
つついてみると
「 んー 」と眉間にシワを寄せ
動く藤井さん。



『 ちょっと！藤井さんっ、ここで寝返り打ったら……きゃっ！！ 』



狭いソファーの上で
寝返りを打とうとした藤井さんの
大きな体が
ドサッと音を立て
私の方に降ってきた。



「 んっ、んぅ〜…… 」



『 …ちょっ、苦し…いですっ… 』



盛大にソファーから落ちて
私を下敷きにしているのに
それでもなお
唸り声を上げるぐらいで
全く起きる気配のない藤井さん。



『 ん〜っ、もうっ！藤井さんっ！！ 』



さすがに苦しいので
思い切ってグーで脇腹をパンチしてみる。



「 …っ、ごほっ！！ 」



すると
咳き込みながら
思いまぶたが開き
キラキラした瞳が
まぶしそうに私を見た。



「 …あ、Aちゃん……おはよ 」



『 おはよ、じゃないですよー！早く起きてください！ 』



そう言って
藤井さんをどかそうと
細くて大きな体を
必死にグイグイと押す。




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