【文スト】転生したら横浜市民になってしまった (ページ11)

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出会。ページ11

(得に太宰さんとか)双黒十五歳のネタバレになってしまうかもしれません。
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俺がAと出会ったのはいつだったか。

あれは俺がポートマフィアに入る前の十五歳の頃。
俺より四つ歳下のAは、その頃はたった十一歳のガキンチョで、太宰とよく一緒にいた。一体どちらが好んで隣に居るのか分からないが、二人の楽しそうな顔を見ると、お互いが望んで一緒にいるのだろう。
太宰はAが気に入ってるようで、誰にも向けねぇような優しい顔をする。俺はそれが気に入らなかった。気に入らなかったからAに近づくことが多かった。仲良くなれば太宰が嫌がるだろうと思って。
まァ、Aはつまらなそうにするだけで効果は無かったが。

俺とAがまともに接するようになったのは、ある仕事がきっかけだった。
俺と太宰で終わらすはずの仕事に、サポートとしてAが付けられたのだ。
俺は、こんなガキで大丈夫かよ？と挑発じみたことを言ったが、多分心配だったのだと思う。本当に、俺よりもずっと小さかったから。
任務が始まってからのAの働きは素晴らしく、ホントにガキかよ、と思わせられるものだった。

俺とAがまともに接するようになったのは、俺の不注意。Aの異能に魅入り過ぎていた俺の。
アイツの異能を見るのは初めてで気を取られすぎてしまったから、近寄って来ていた敵に気づかず、怪我をしてしまった。全く、俺らしくないと太宰の野郎にバカにされ、俺自身もそう思っていた。なのに、Aはバカにするでもなく、怒った。何してんですか、と声を荒らげる姿は初めて見た。泣きそうな顔も。

「おい…瑞野？どうしたんだよ」

「だって！あた、頭！」

「あ～…Aちゃん？中也の怪我、たいしたこと無いから大丈夫だよ？」

「……は？」

俺が怪我した場所は頭で、血は多いが太宰の言った通りたいした怪我じゃないというのに、それに気づかずに慌てたAと、太宰に説明された後の、言っていることが理解出来ないというようなあの表情は見物だった。吹き出して笑った記憶がある。バカにしたわけじゃないがAに近寄れた気がして、嬉しかったのだ。

それからは気を許してくれたのか分からないが、話しやすくなった。物理的にではなく、近寄ることが出来たのだろう。

「中也さーん？ケーキ食べないんですか？」

「んー…Aが食べさせてくれんなら」

今はこれだけ気を許せんだから、昔の俺を褒めてやりてぇな。