29・嘘ついたら針千本 ページ31
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ただ、私が、勝手に願ってるだけだけど。
これは…願うのは、生きてる人の特権だよね。だから死んだ灰原さんは願われててねって、それで来世はもっと幸せになるのって、
意味不明なこと考えてちょっと泣きそうになってしまった。人前なのに。
「……Aさん」
『あ、はい』
喋るんですね七海さん。怪我大丈夫ですか。
ちょっと驚いて普通の反応になっちゃったよ。
「………呪術師に、なるんですか」
『…なってほしくなさそうですね』
知ってる、考えてること。仲間が消えた後ですもんね。分かりますよその気持ち。
「そうですね、…そうだと思います」
七海さんは自嘲気味に笑う。
「呪術師なんて、なるべきじゃない」
それを聞いて自然と眉間にシワが寄った。
気持ちは分かる。けど、一緒に任務しようって約束したのに言われるのは少し寂しい。
心配してくれてるんですよね。なんだかんだ言って優しいから。でもね、
『私、なりますよ』
七海さんは布を少しずらして片目で私を見る。
その批難するような目を見てちょっと困った。
「なぜですか」
そうですよね、折角助言してくれてるのに。
『成し遂げたいことがあるんです』
その為に、なりますよ。
そう告げれば七海さんは悔しがるように口を結んだ。
「強いですね」
『そうでもないです。なったら挫折するかも』
挫折するつもりは無いけど、今は口だけですよーと彼に笑う。
『じゃあ、私はそろそろ。しっかり休んで下さいね』
そう言ってから灰原さんに布を掛け直し、部屋を出ようとすると七海さんに呼び止められた。
振り向いた私に彼は何か言おうとしたのだろうけど、やっぱり良いと言う。
『…気になります』
「いえ、…」
言わないとでも言うように視線を外した彼を見つめて、少しすれば観念したようだった。
「死なないでくださいと言うつもりだったんですけど…前に約束したなと思いまして」
「破ったりしませんよね？」と七海さんは少し笑う。
その顔を見てなんだか安心した。
もしかしたら呪術師辞めちゃうかなって心配だったから。まだ全然本調子じゃないだろうけど約束は守ってくれるつもりなんだと、笑みが零れてしまう。
『はい、もちろんです！』
＿＿＿きっと、その約束を守るまで。
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藤宮(プロフ) - さくらさん» コメント、応援ありがとうございます！！頑張りますね、これからもお付き合い下さい！ (2020年10月29日 20時) (
レス) id: 6816ef7f40 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - コメント失礼します！楽しすぎて一気に見てしまいました！これからも応援してます！更新頑張ってください！！ (2020年10月22日 21時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 露亞さん» 申し訳ないんですが、ムウさん？という方ではないです…。好きな作者さんなんですか？応援ありがとうございます！ご期待に応えられるよう頑張ります！！ (2020年7月5日 22時) (レス) id: 9eeede9267 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ムウ…さん？あ、違ったらごめんなさい！更新頑張ってください！！ (2020年7月1日 19時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - みーさん» いやもう、コメント下さるのが既に優しいっていうか…本当ありがとうございます！( ´ ` *) (2020年5月9日 14時) (レス) id: a3f9ffe9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤宮 | 作成日時：2020年3月15日 4時
