【呪術廻戦】彼等と私と呪いたち

27・療法勧誘 ページ29

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違和感を覚えたのは一年前、傑が屋敷に来た日。

その日はとても元気が無くて、思い悩んでるように見えて、それでも次の日からは元通りだったから、大丈夫かなーって忘れてた。



でも最近は、目に見えて様子が変わった。

元気も無ければ少し痩せてしまったし。時々、本当に一瞬、非術師を見る目が冷たく感じる。




「なんで私の話した相手が夏油君だと思ったの？」

『九十九さんは特級ですから、その話をくだらない相手とは話さないと思いまして…』




傑は九十九さんと同じ特級だし。




「それだけ？」

『後は、術師から呪霊は生まれないってのと非術師を皆殺しにすればいいってやつですかね』




その発言は最近の傑の様子とも当てはめることは出来る。後は勘。


絶対、認めたくなんてないけど。




「いや、ホント余計なこと言ったよね…」




歯に力を込めた私を見て九十九さんが申し訳なさそうな表情をしたので、慌てて否定する。




『いつかは知ることかもしれませんし、』




大丈夫です、と笑えばあまり納得していない顔で納得してくれた。




『九十九さん、私は原因療法は良いと思います。このまま対症療法を続けても終わりが見えませんから』

「ほう、……夏油君の意見については？」




『それも…方法としてはアリかと。でも良くはないでしょう、規定に反します』

「そうだね」




傑は並大抵の術師には負けないだろうけど、多分、悟には……、

だから、悟を引き入れない限り非術師の皆殺しは出来ないだろう。




『(…いや、)』




まだ。

まだ、何かあると決まったわけではない。


引き入れるとか引き入れないとか、勝てる勝てないじゃない。大丈夫。うん。




「うん、いいね」

『はい？』




何か考えてる素振りだった九十九さんが急に頷いたことに驚く。彼女は、改めてといった様子で私と向き合った。




「Aちゃん。私と一緒に来る気はない？」

『へ…………』




予想外の言葉に私も予想しない言葉が零れた。え、ですらなかったわ。



一緒にって、どういうこと？




「ま、今のところ君は夜鎮家だからね。……本当に惜しいことをした」




もっと早くに夜鎮家から引き抜くべきだった、と九十九さんは言う。つまりどういうことですか。




「私と一緒に原因療法しないかってことだよ」









……………………え？

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