24・不可能を可能にする男 ページ26
.
『あっつー…』
今日も今日とて、私は悟に連れられ高専に居る。
ちなみに前回、灰原さんはいなかった。醜態を見られなくて良かったと思います。誰かにバラされそうでもあるが。
「もう夏だね〜」
『だねぇ』
「八月だからね」
私の呟きを拾って返事をしてくれた硝子さんと傑。硝子さんに至っては「夏バテしてない?大丈夫?」とめっちゃ心配してくれて私嬉しい。
硝子さんこそ気をつけてね。その雪のように白い肌には太陽は天敵だ。アッ、もしかすると反転術式で治ったりする?
『ところで硝子さん、そのペンは何ですか』
「五条に投げる」
殺意をお持ちで??
よく見たら傑は消しゴム持ってた。流行ってるの?
え〜私にも言ってよ〜とポケットを漁ってみるが文房具はやっぱり無い。あ、今日は着物じゃないです。夏に着物は無理です。
「投げるってのは合ってるけど、実験だよ」
『実験……』
私が言葉を反芻したと同時に、私の前に縦長の影が出来る。
「そ、俺の術式を試すわけ」
『うわぁいつの間に』
気付かぬ間に背後に立っていた悟は笑っていた。
……やっぱり、あの日からずっと違和感あるな。もう慣れたけど。
「で、私達はなにするんだ?」
「二人で俺に向かってソレ投げてくれたらいいよ」
「おっけ〜」
傑と硝子さんは立ち上がり、悟と少し距離を取った位置に着く。
私の居る必要性とは?何もしないんだよね?
毎度毎度、用も無いのに何で悟は私を呼びに来るんだ。もはや誘拐の域だと思います。
「いっくよー」
硝子さんの掛け声でペンと消しゴムが投げられる。ただ眺めていただけの私は、その人を見て目を瞠った。
『えっ、』
硝子さんめっちゃ投げ方のフォーム綺麗じゃない?え、かっこいい。
「…………そこ?」
「Aありがと〜」
術式は?と不満気な悟とヒラヒラ手を振ってくれる硝子さん。ごめん術式は見てなかった。
「今のは術式対象の自動選択か?」
「そ。正確に言うと術式対象は俺だけど」
驚いた様子の傑の質問に、悟はペラペラと術式を話し出した。
___無下限呪術をほぼ出しっぱ。
一見聞けば無茶で不可能なこと。だけど悟は、それを可能にしてしまう。
『(…あーあ、)』
悟は本当に、どんどん強くなっちゃってさ。
568人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藤宮(プロフ) - さくらさん» コメント、応援ありがとうございます!!頑張りますね、これからもお付き合い下さい! (2020年10月29日 20時) (レス) id: 6816ef7f40 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - コメント失礼します!楽しすぎて一気に見てしまいました!これからも応援してます!更新頑張ってください!! (2020年10月22日 21時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 露亞さん» 申し訳ないんですが、ムウさん?という方ではないです…。好きな作者さんなんですか?応援ありがとうございます!ご期待に応えられるよう頑張ります!! (2020年7月5日 22時) (レス) id: 9eeede9267 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ムウ…さん?あ、違ったらごめんなさい!更新頑張ってください!! (2020年7月1日 19時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - みーさん» いやもう、コメント下さるのが既に優しいっていうか…本当ありがとうございます!( ´ ` *) (2020年5月9日 14時) (レス) id: a3f9ffe9e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藤宮 | 作成日時:2020年3月15日 4時