一生残る存在感 ページ15
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「お前、一人っ子じゃねぇだろ。まだ生きてんのか?」
『…は?』
「目の色はアイツより薄いんだな。成長するに連れ濃くなんのか、それともお前が弱ぇのかどっちだ?」
『えっ、え?』
何この質問。
甚爾さんは人の顔を不躾に眺めたかと思えば、急に質問をし始めて、ついていけないんだけど…。
答えろと目で言われたので、殺されたくないし渋々ながら口を開いた。
『一人っ子ですよ。目のことは分かりません。
そもそも私の強さに関係するんですか?』
「それは知らねぇ」
どうしようイラついてくる。
我慢我慢、と息を吐いて落ち着かせた。落ち着いて見るとこの人イケメンだな…。それはそれで腹立つな、でもイケメン。
「一人っ子じゃねぇっつーのは今のことじゃないんだが…まぁ、今一人ってことはアイツは死んだんだな」
そう言って彼はニヤリと笑う。
私の事っていうか、家の事知ってるようだ。別に隠してないから良いけど、禪院家らしいし誰かから聞いたのかもしれない。
あの子にも会ったことあるみたいだ。生存確認は何のためか知らないけど。
目の色は確かに私の方が薄い。でも…術式に変化は無いはず…だよね。
『………他にご用は?』
「ねぇよ」
てことで帰るわーみたいな感じで、甚爾さんは帰って行った。
姿が見えなくなった後、足の力が抜けてへたりこむ。
……やっぱり、怖かった。
初めて感じた、明確な殺意が。あの冷たさが。
頭にこびり付く。
彼が私を殺さなかったのは、きっと気まぐれだ。次会ったら殺されることだろう。
どうしよう…。
殺意を向けられることが、殺意を持って人を殺そうとする人が、こんなにも怖いとは思わなかった。
結局何がしたかったか分かんないし。自分勝手というか、自由な人だったな。
でも、あれが本当の甚爾さんかも分からない。
このホントの顔が見えない感じもやだなぁ、イケメンだったけどさ。
__伏黒甚爾。
きっと、忘れることは無いだろう名前。
その時、後ろから足音が聞こえた。
「あれ、Aちゃん?」
『えっ、なんでここに…』
次回、私の前に現れた人物とは__?!
的な終わりか方をしてみたかった、まる。
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藤宮(プロフ) - さくらさん» コメント、応援ありがとうございます!!頑張りますね、これからもお付き合い下さい! (2020年10月29日 20時) (レス) id: 6816ef7f40 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - コメント失礼します!楽しすぎて一気に見てしまいました!これからも応援してます!更新頑張ってください!! (2020年10月22日 21時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 露亞さん» 申し訳ないんですが、ムウさん?という方ではないです…。好きな作者さんなんですか?応援ありがとうございます!ご期待に応えられるよう頑張ります!! (2020年7月5日 22時) (レス) id: 9eeede9267 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ムウ…さん?あ、違ったらごめんなさい!更新頑張ってください!! (2020年7月1日 19時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - みーさん» いやもう、コメント下さるのが既に優しいっていうか…本当ありがとうございます!( ´ ` *) (2020年5月9日 14時) (レス) id: a3f9ffe9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年3月15日 4時