エンカウント ページ14
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嫌な予感がした
唐突にきたそれは酷く私を焦らせて、家に居るのも嫌で無断で外出した
あぁでも、外になんか出なきゃ良かった
『どちら、さま、でしょう…』
私の声は少し震えていて、怖がっているのが丸分かりだ
さっきから冷や汗が止まらないし、足の震えを抑えるのが精一杯で頭はまともに働かない。手先はどんどん熱を失って冷たくなる。それを隠すように、温めるように、ぎゅっと握ったが気休めにもならないと思った
ただの、人なのに。どうしてこんなに恐く感じるんだろう
私の言葉を聞いたその人は、薄く笑う
『失礼、しました。先に名乗るべきでしたね』
「いやいい、お前の名前は知ってる」
なんで知ってんの
なんとか『そうですか』と返すと、理由を聞かないのかと聞かれる
聞けるわけないだろこっちは恐怖でいっぱいだっつの
「伏黒甚爾。もとは禪院だ。言えるか?とーじって」
『ぜん、いん…?』
「伏黒つってんだろ」
『あ、はい、すみません』
いやだって!驚くでしょ禪院は!御三家じゃんか!!
てか今、めっちゃ子供扱いされたけどその割にキレるの早すぎでは?
『甚爾さんですね言えます!』
「元気だなお前」
いちいち反応しないでください。え、用件があるん…だよね?
『………それで何の御用ですか?』
「別に、夜鎮家の跡取りを見てみようと思っただけだ」
そう言って近づく甚爾さんに体が固まった
彼は屈んで私の頬を撫でて、少し上げた口角をそのままに目を細める
「__殺しても良いんだがなぁ」
私と彼の視線が交わった
『……っ…』
「お前、綺麗だからとっとくか」
甚爾さんは「もったいねーし」といって立ち上がる
っし、死んだかと思った…。とっとくって、どゆこと?顔面偏差値で命拾いした?
「じゃあまた会えたらな」
クシャクシャと私の頭を撫でて背を向けた
帰るのかと思えば「あ、」と思い出したような声を出して振り返る
『な、なんですか…』
何も言わずに見つめられたので足が後ろに下がった
だって怖いんだ。普通に会話してるっぽく見えるかもしれないけど、めっちゃ怖いからね。恐怖は抜けてないからね
さっき「殺しても〜…」的なこと言われたし
あぁもう何なんだほんとに
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藤宮(プロフ) - さくらさん» コメント、応援ありがとうございます!!頑張りますね、これからもお付き合い下さい! (2020年10月29日 20時) (レス) id: 6816ef7f40 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - コメント失礼します!楽しすぎて一気に見てしまいました!これからも応援してます!更新頑張ってください!! (2020年10月22日 21時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 露亞さん» 申し訳ないんですが、ムウさん?という方ではないです…。好きな作者さんなんですか?応援ありがとうございます!ご期待に応えられるよう頑張ります!! (2020年7月5日 22時) (レス) id: 9eeede9267 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - ムウ…さん?あ、違ったらごめんなさい!更新頑張ってください!! (2020年7月1日 19時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - みーさん» いやもう、コメント下さるのが既に優しいっていうか…本当ありがとうございます!( ´ ` *) (2020年5月9日 14時) (レス) id: a3f9ffe9e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年3月15日 4時