罪よそじ あまり いつつ ページ47
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宝石よりも宝石らしい輝きを持った、空よりも澄んだ色の蒼い瞳。暗闇でも鈍く光るソレに嫌でも五条だと分かった。
(なんで五条が…)
疑問に思い目を歪める。ええーーと、これはどうするべき??
気まずくなってからというものの話しかけることも話しかけられることも無く、硝子や傑くんが私の話を振っても迷惑そうにするだけだったのに。
この前は私が一級になったからと、おめでとうなんて言ってくれたし。興味が無いなら無関心のまま居てくれて良いのに、私のデート発言には凄く驚いてたし。
最近の五条はちょっとヘンだとも思ってたけど…その矢先にコレとは。いよいよ可笑しい。
__そんな考えを巡らせていた所、五条の手が私の手の甲をするりとなぞった。
優しい手つきに毛が逆立つような感覚を受けてぱっと手を引く。
幸い力を込められていた訳では無いのですぐ抜け出せたが、真後ろに五条が居るのは変わらないままだ。つまりは逃げれない。
(びっくりした…急に何してんの…)
バクバクと音を鳴らす心臓辺りを抑えながらちらりと五条の様子を伺おうとした__その時だった。
五条がドアを開けると同時に私の手を勢い良く引っ張って部屋に入ったのは。
『…っえ、』
いきなりの事にバランスを崩してそのまま部屋の奥へと進んでしまう。
そして聞こえる、ガチャンという金属音。
(………………_は?)
ドアの前に五条が立っているので見えはしないが、確実に後ろ手で鍵を閉めただろう。
なんでそんなことをするのか疑問に思いながら、電気もついてない暗い部屋で辛うじて後ろの窓を確認した。
…タメを警戒する必要も無いだろうけど、一応逃げ道としておこう。
『五条、どういうつもり?…取り敢えず電気つけてもらえる?』
返事は無かった。今までは戸惑いが多かったが、何の理由も告げられずに意味不明な行動ばかりされては流石に苛立つ。
『……いい加減に_』
「遅かったな」
『_え?…あ、うん』
そのとき初めて目が合った。それはとても静かで、でも少し怒りを湛えたような。
五条はドアノブから手を離して私に近づく。後ずさりそうになったが、耐えた。そうよ、そこまで怖がる必要無いし…。
ふう、と息を吐く。
少し怒ってるようだけど…私、怒られるようなことしたかなぁ…。
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時