罪よそじ あまり ひとつ ページ43
·
コツコツと音を鳴らして、早歩きで目的地へと行く。
彼との集合場所は昔と変わらぬフードコート。お洒落さの欠片もねぇなと正直思うが、それで良いのだ。だって___
(_デート、なんて言ってしまった……)
実際は、全くもってデートなどではない。
(いや別に、デートと言えばデートなんだけど…)
だって男女二人っきりで会うし?デートと言えないことは無い。周りから見たらそんな風に見えるかもしれないし。でも私達はお互いに、デートだなんて思ってない。
じゃあなんでそう言ってしまったかと言うと…、気になったからだ。反応が。
ピシ、と固まっていた三人を思い出す。
驚いた顔してなぁ。傑くんと硝子はなんか笑いが滲んでたけど…嘘ついてるってばれてたんだろうか、それは恥ずい。
五条も…、
(五条も、すごく驚いてた…)
その時、唐突に浮遊感が私を襲った。
『ぇ、』
「大きくなったなぁ」
聞き慣れた声と懐かしむ様な間延びした言葉。前方から私の腰に手を添えて、持ち上げている。んん…持ち上げ…?
(_持ち上げ方ァ!!)
『甚爾さん!!』
思わず甚爾さんの肩に手を置いて、慌てて名前を呼んだ。…勘づいていた方もいらっしゃったかもしれないが、まぁ私のデート相手は甚爾さんです。
呼ばれた彼は軽く笑ってからパッと私を離した。トッ、と着地する。ちょっと待って何で下ろしてくれないの。私は良いけど一般女性には怖いと思うよ?
「綺麗になったな」
『昔からです。甚爾さんは__老けましたね…』
「殺すぞ」
『…冗談』
眉を下げて少し悲しそうにふ、と笑って言えば、甚爾さんも笑って返してくれた。その返事を聞いて『えへ、』と誤魔化す。
会う度に私への言葉が刺々しくなってる気がするんだけどどう思う?
2234人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時