罪みそじ あまり ここのつ ページ41
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傑くんと話をしてて、私が寝てしまって。あの時運んでくれたのは誰だっただろうかと、任務帰りに考えていた。
(本人は違うって言うし、硝子には無理だと思うし…。先生かなぁ)
お礼を言いたいけど分からないことにはどうしようも無いので、次第に私は思考を放り出す。
そのまま高専に帰って、直ぐに部屋に戻っては私服に着替えて出かける準備をした。
「あれ、Aおかえりー」
硝子の声がした共同スペースに目を向けると、珍しいことに同級生が揃っている。
『何してるの?』
「ちょっとね。Aはその格好…」
曖昧に言葉を濁した傑くんが私を見た。…どうしよう、面と向かって見られると恥ずかしいな。
そういえば、昔に五条と外で会ったことはあるけど、二人と出かけたことは無いかも。今度誘ってみようか。
「似合ってるよ。そう思うだろう、悟?」
傑くんに問いかけられた五条は薄く口を開いて、閉じた。何か言いたそうな表情なのに何も言わない。
そんな彼と目が合ったが気まずくなると思って逸らしてしまう。
「それでどこ行くの?買い物?」
一人で?と言う硝子に、実は買い物じゃないんだよな〜〜と私は笑った。
❀❀❀___
今日は、今日こそは。
今日こそは素直に話しかけようと五条はソファに座っていた。横には、五条が素直に話すための安定剤である夏油と家入がいる。
五条はAが任務から帰ってくるのを心待ちにしていたが、彼女は早々に部屋に戻っては暫くして出てきた。
そんなAに硝子が偶然を装って話しかける。その一方、五条はAに見とれていた。
もう暑い季節。腰周りで緩く引き締められて揺れる膝丈のワンピースに、薄いカーディガン。
それはシンプル故にAを引き立たせるものだった。
褒めたかったものの、やはり何も言えずに五条は黙り込む。
どこに行くのかというAへの問に、五条は当たり前のように買い物だと思っていた。
しかし彼女は優美に微笑んで、五条が絶対にAの口から聞きたくないと思っていた言葉を吐き出す。
『ううん。_デートだよ』
五条は目を見張った。五条だけでは無い。夏油と家入の体もピタリと硬直させる。
(____は?)
Aの笑顔は、とても綺麗に見えた。
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時