罪はたち あまり ふたつ ページ24
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『五条はこういう所来ないの?』
「まぁ…」
その返事を聞いた私はこのまま自然な流れで席を立ってしまおうと、にっこり笑う。
『じゃあゆっくりしなよ、私は帰るから』
「あ?」
そう言って机に手をつき、席を立ったが。その私の手を五条はガッと掴んだ。
「帰れると思ってんの?」
…………………ですよねー。
思ってなかった。思ってなかったけどさ、私は一緒にいたくないの。五条だってそうでしょ?
ぎりぎりと力強く掴まれて痛む手首を見て、はぁ、とため息をついてから席に戻る。
『なんの用?』
「誰と居たんだよ」
『誰でも良いでしょ』
諦めて用を問えば質問で返されたので、「まだその話題引き摺るのね」と思いながら答えて、五条には関係ないと付け足す。
それを聞いた五条の眉間にシワが寄った。
「また、"
『事実でしょ?』
私と五条はお互いに関係のない話をするような仲じゃない。
だってお互いに嫌い合ってるんだから。
いっつも私のこと出会い頭にバカにするじゃない。……あ、でも今日は聞いてないな。
質問するのに気が取られてるのだろうか。
「さっきまで一緒にいた奴__」
『一人だったって』
実際には甚爾さんが居たが、食い気味で居ないと訂正した私に五条はため息をつく。
諦めたような声で、分かったと頷いた。
「もしも、居たとして」
『……』
「前の会合でオマエが探してたヤツと同じ?」
五条って頭の回転が速いのか勘が鋭いのかどっちかな。……多分、どっちもな気がする。
(うーん…)
話す必要が無いとシラを切っても良いけど、それだと「同じ人」と言ってるも同然だし。
その場合、"前の会合に来ることの出来る地位を持っているがその場に居なかった人"と分かっしまうかもしれない。
……めんどくさ。
『…どうだろうね?』
「ハッキリ言えよ」
『五条に言ったところで無駄よ』
無駄、という言葉が癪に障ったのだろう。五条の顔が一段と険しくなった。
私は事実を言ってるつもりで、実際そうだと思うけど……伝えるにはどうも刺々しい言葉になってしまう。
まぁ、それを直す気も無ければ、それで良いと思ってる時点で仲良くするなんて無理なんだろうな。
(やっぱり、)
私と五条は合わないのだ。
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時