罪とお あまり いつつ ページ17
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お礼は渡した。謝意も述べた。目的はちゃんと果たせた。
『じゃあ私、帰るね』
「………早くね?」
いや………もう用が無いんですけど。
早いのかな?普通じゃない?いつも五条が無駄に居座ってるだけで。
『だって、もう用は無いし』
「用済みになったら捨てるのかよ」
『……人聞きの悪い言い方しないでくれる?』
何も捨てた覚えはない。
少し苛立ったように返せば、五条はバツの悪そうな顔をして視線を外した。
なんでかな、私を引き留めたいように聞こえるのは。これも嫌がらせの一種だろうか。バリエーションが豊富だね。
あれ?使い方合ってる?
というか、今日は用事が済んだら運動でもしに行こうかと思ってたんだけど。体が鈍ってしまったら次の依頼を失敗するかもしれないし。
「帰らないといけない理由でもあんのかよ」
『無いけど……それがないと帰っちゃダメなの?』
だったら理由なんて今すぐにでも作れる。
でもどうしようかな。
プライベートにまで口を出す権利はない。とでも言えば帰れるだろう。
しかしこっちは助けて貰った身。お礼は済んだと言えど余り尖った物言いは良くない。
『…五条さん。私、帰りたいです』
「話し方気持ち悪」
『おい』
わざとらしく聞こえたのか、私の配慮は呆気なく五条によって捨てられた。
せっかく丁寧な言葉選んで自分を五条より下に見て言ったんだけど。それに、気持ち悪いは中々無かったからちょっと傷ついた気がする。
『はぁ……体が鈍らないように運動したいの』
「他の日にすれば良いだろ」
『嫌よ、学校がある』
そう言うと、五条は片眉を上げて少し考える素振りをしてから口を開く。
「学校って絶対行かなきゃいけねぇの?」
『いや…絶対とは言われてないけど…』
「じゃあなんで行くわけ?」
『え、学校がある日は五条が家に来ないから』
五条はそれを聞いてまた顔を顰めた。
ハッキリ言い過ぎたかなと少し心配になったが、でも本当の事だし別に良いかと納得する。
『もう帰っていい?』
「………………送ってく」
『えっいいよ一人で帰れるし』
「送ってくつってんだろ!」
即答で誘いを断れば少々大きめに返ってきた声。五条はそのまま襖を開けて廊下へと出るとさっさと歩き出してしまった。
え、………マジで一緒に帰るの?
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時