雅 -miyabi- 第3章 (ページ3)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:129,108 hit

97. ページ3

＜怪我＞
CY side

『え、一人で帰れるよ？』

帰国して空港を出る時に
Aヌナがそんな事を言った

チャンミン先輩にも頼まれてるし…

そう言うと、苦笑いしたヌナと
一緒にお店に帰った

だけど…
よっぽど不安が募って怖いんだろう

お店に近づくにつれて
Aヌナから笑顔が消えていった

ちゃんと守らなきゃ…

俺たちがいるから
そんな悲しい顔しないで

お店に着くと
ベクが先に入って中の様子を見る

特に変わっていなかったようで
ヌナも安心してた

CY『ヌナ、二階見に行こう』

と言って
先に階段を上がっていると
足の裏にズキンという痛みと
生温かい物が流れる感覚があった

CY『…は？』

下を見ると階段は
ガラスの破片でいっぱいで
さっき踏み出した足からは血が出ていた

だけど、
下から上がってくるヌナの気配がして

CY『ヌナ！来ちゃダメ！』

ヌナに怪我させちゃダメだ…
咄嗟にそんな風に思った

痛ってぇ…

すぐにでも階段を降りたかったけど
すぐ後ろにはヌナとベク

このまま前に通すとみんな怪我をする

だから、俺の体で
これ以上行かないように塞いだ

幸いにも右足の裏だけで怪我は済んだが
知らずに踏んでしまったので
大きな破片も刺さっていた

ヌナとベクに抱えられて
下に降り、破片を取り除いてもらった

足の裏の大まかな破片を抜いたから
大丈夫だと言ったけど

『でも、細かい破片
残ってるかもしれないし…』

とヌナ

BK『そうだよ、
破片残ってて活動に支障きたしたら
それこそマネヒョンやジュンミョニヒョンに
怒られかねないよ』

と、ベクにも言われたので
渋々ヌナと一緒に病院に行った

医者『大丈夫です、細かい破片は
入っていませんでしたよ』

そう医者が言うと
ホッとした表情を見せたヌナ

安心してもらえて
ひとまずよかったかなと思ったけど

帰り道…

歩きづらいため、
病院から借りた松葉杖をつきながら
ゆっくり歩く

『ごめんね、チャニョル…』

CY『なんで？ヌナが謝る事ないよ？』

『だって、私やベクを
守ってくれたんでしょ？』

俺は、頷いた

CY『あのまま、俺が降りてたら
きっと、ヌナもベクも怪我してたからさ…』

『ありがとう…』

ヌナは、少し微笑んでくれた

俺はそう言われて、
ちょっとでも、役に立てたかな…と
嬉しくなった

店に帰るとベクと
ミンソギヒョン、イーシンヒョンが
片付けをしていた