雅 -miyabi- 第3章 (ページ16)

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＜奇蹟＞
BoA side

BoA「Aー、
今日ねレコーディングしたんだよ
早く新曲聞かせてあげたくて
音源もらってきちゃったー」

仕事が終わってAの病室に入ると
つい先ほど録音した音源を流す

BoA「チャンミナが
早くAに曲作ってほしいって…
みんな待ってるよ、だから早く帰っておいで」

Aの手を握り、
手の温もりを感じていると

ピクッと指が動く

BoA「！？ A！？」

もう一度強く握り返すと
その手のひらは握り返してきた

「Bo…A…オ…ンニ…？」

私の顔を見て、
弱々しく微笑むA

BoA『マネオッパ！
急いで医者呼んできて！』

MN『わ、わかった！』

バタバタとマネオッパが出ていく

BoA「A…よかった、ほんと…」

医者が来て、診察をしていく

医師『もう大丈夫だと思います
明日、精密検査をして問題無ければ
退院して大丈夫でしょう』

BoA『ありがとうございました』

私は、お医者さんに
深々と頭を下げた

MN『BoA』

BoA『何、オッパ…』

Aの診察中、
マネオッパにユノたちの
マネージャーから連絡があって
Aを狙って、放火犯が来るかもしれない
という事を聞いた

BoA『そっか…
あの子の前でその話はしないように』

MN『そうだな…』

確かめたいこともあるし…

診察が終わってから
今がどんな状況なのか聞いてみると
倒れる前の記憶も全部思い出していた

そして、

「オンニ……
私、みんなに話してない事があるの…

み、雅を放火した犯人……
誰か、知ってるの…」

BoA「え、どういう事…？！」

Aは少し躊躇いながらも
ポツリポツリと話し始めた

「放火したのは……
私の実の妹だと思う……」

え、妹……？

BoA「A、妹……いたの…？」

私がそう言うと
こくん、と頷いたA

「じ、実は……」

妹は双子である事

両親が亡くなってから
Aは韓国、妹は日本で
離れて暮らしていた事

一度だけ、韓国で会っていた事

その時に撮られた写真が
寝室にあった事

全てを話してくれた

「私のせいでみんなを巻き込んだ
ごめんなさい…

もっと皆の事を話してれば
傷つけずに済んだのに…」

BoA「そんなことないのよ
みんなで探しましょ、Aの妹」

それにしても…
Aの妹は一体何をしたいのかしら…

考えただけで背筋が凍るような気がした