雅 -miyabi- 第3章 (ページ41)

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番外編12 ページ41

You side

みんなに交際宣言をして
約一年が経ったある日のこと

みんな、変わらずに
私のお店に来てくれていた

むしろ、来てくれる回数や
ケータリングの回数が増えた気がする

「なんで？」

BoA「そりゃ、チャンミンに
会わせないためでしょ」

「へっ！？」

BoA「みんな、嫉妬してんのよ～
っていう、私もそうだけど(笑)」

「え！？どういう事？」

BoA「それだけ、
みんなAの事が好きなのよ～」

ふふ、と笑うBoAオンニ

「ていうか、今は会えないし…」

チャンミンは、兵役に行っているため
全くといっていいほど連絡をとっていない

BoA「寂しいなら連絡すればいいのに」

「……」

BoA「A？」

「なんでさ、韓国には兵役義務があるの？」

BoA「A…」

私はカウンターに突っ伏した
頭を撫でるBoAオンニの手が心地よかった

カランカラン……

BoA「あ、ほらお客さん来たよ」

『いらっしゃ……なんだ、ヒチョルオッパか』

HC『なんだとはなんだよ！
せっかく来てやったのに……』

『だって、昨日も会ったじゃん』

HC『A、俺は毎日でもお前に会いたいぞ』

『私が会いたいのは…』

私は、口を噤んだ

言ったら今まで我慢してたものが
溢れてしまいそうだった

HC『A？』

BoA『オッパ、察してやって』

HC『あぁ…あいつか…』

オンニとオッパが少し寂しそうに
私を見ていることは知っていた

でも…

顔はあげられなかった
顔をあげたら泣きそうだったから

きっと今優しくされたら
泣いてしまうに違いない

それだけ、チャンミンの事が好きだった

「はぁ…」

オンニとオッパが帰ったあと
私はお店の掃除を始めた

無事に帰ってきてほしい…
ただそれだけだった

「待ってるからね、チャンミン」

私は、エプロンのポケットに入れていた
指輪を左手の薬指に付けた

これは…

兵役に行く前に、
チャンミンから貰ったものだった

交際宣言をしてから数ヶ月後に
チャンミンは兵役に行く事が決まった

CM「必ず帰ってくるから
それまで待っててほしい」

そう言って、
私の左手の薬指に指輪をはめた

「え…」

CM「帰ってきたら、結婚しよう」

突然のプロポーズだった

あまりにも突然で
言葉にできない私の頭を撫でて

CM「ふは、Aの顔
おもしろいですよ」

そして……

CM「待っていられますか？」

そう聞いてきた