３１Fside ページ32
何かが割れる大きな音で目を覚ました。横を見ると宏光がいなくて、慌てて起き上がる。
「…痛いっ、いや…だ、…めろ…っ！！」
そんな声が聞こえてきて急いで台所へ行くと、真っ暗な中で宏光が座り込んで、肩を大きく上下に揺らして苦しそうにしていた。
駆け寄って名前を呼んでも、こっちは向いてくれなくて、でも必死に俺の名前を呼んでいる。
至近距離で必要ないくらいの大きな声で肩を掴みながら名前を叫ぶと、ようやく宏光は俺を見てくれた。
落ち着いてからどうしたのか聞くと、一回は少し遠慮されたが全て正直に話してくれて、不謹慎だけど頼ってくれるようになったことに嬉しくなる。
とりあえずソファに連れて行き、薬を飲ませて横に座って太ももをポンポンと叩くと、一瞬驚いた顔で俺を見たけど、肩を倒すように寄せると素直に太ももに頭を下ろしてくれた。
「宏光…さ、今とりあえずいつまで休みになってるの？」
K「決まってない。動けるようになったら言ってくれって感じで。ドラマの撮影も残ってるし、薬飲めば何とかなりそうだからそんな休むつもりもないよ…見える傷はメイクでなんとかできるだろ」
そう言ったけど、今宏光がもっとちゃんと休んだほうがいい理由は怪我じゃない…ことは、本当は本人もわかっているはず。
K「そういう…問題じゃ、ねえよな。俺…どうしよう」
黙っていた俺に、宏光が自身でそう言いながら苦笑いした。
何も言ってあげることはできなくて、頭を撫でる。すると宏光は、手を伸ばしてきて撫でていた手を握られた。
K「太輔がいなかったら、今の俺何もできなさそうで怖い…」
「じゃあ、宏光が大丈夫になるまでずっと傍にいる」
K「そんなことできない…」
その通りだ…現実的に考えて、ずっと傍にいようと思えば、一緒に現場に行ける仕事しかできない。お互いの個人の仕事を全て断って、仕事もプライベートもずっと離れないでおくということになる。
宏光のドラマはもうオンエアされるし、俺の舞台の日程も決まっている。
「病院…行こうか。明日」
俺が行こうという病院というのは、いつもの病院じゃない…。メンタルの方。
宏光はこうなってしまってる自分が嫌なんだろう…というのがわかっていたから、俺だって言いたくなかった。でも、このままじゃいけないというのは確かだった。
俺の言っていることの意を汲み取っている宏光は、頷きもせず返事もせず、ただ俺の手を握る力を強くした。
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氷 - 北山宏光君のドラマ新聞社の女の人スッゴい強引に家に入れてやらしい事してました。北山宏光君大好きです (2022年2月12日 10時) (携帯から) (
レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - あやりさん» コメントありがとうございます。2人の幸せを願っていただけて、作者として嬉しいです！笑 (2021年9月30日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
あやり(プロフ) - このお2人に穏やかな幸せが訪れますように...♡ (2021年9月26日 0時) (レス) @page33 id: 379a52cc0f (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます。本編から読んでいただき嬉しいです。うまく書けるかわかりませんが、これからも読んでいただけると嬉しいです(^^) (2021年9月13日 4時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、アフターストーリーありがとうございます!!更新楽しみにしています。 (2021年9月12日 21時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2021年9月12日 1時
