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F「同情なんて…いらないから」
俺の体から離れて、そう言いながら部屋を出ようとした太輔の腕を握って止めた。
「同情なんかじゃない…。何があったかまではわからない。でも、何かあったことくらいわかる。前に話した時、太輔俺に別れようって言わなかったじゃん。じゃあ、俺たち今もカップルだろ？それなら、俺が支えたい…それだけ。だから同情なんかじゃないよ」
太輔の唇に、俺の唇を寄せる。
すると太輔は、顔を右に向けて俺の唇を避けた。
それでも俺は、太輔の肩を両手で持って体ごと正面に向けさせた。そこから、手を首筋…そして頬に…と、手を顔に徐々に近づける。
太輔の目がどんどん潤んで、ポロッと一粒涙が流れた。
F「俺は…最低だ」
震える声で小さく呟く太輔の涙を、俺は親指で拭う。
F「北山に支えられることどころか…俺には、北山の傍にいる資格もない。だけど、最低だから言えなかった…別れようって。こんな俺が、お前と付き合ってても、お前を傷つけるだけなのに」
そう言う太輔の唇に、今度はしっかり俺の唇を重ねた。
「資格もいらない、傷付けられてもいい。だから傍にいてよ…」
太輔の言葉を聞いて、何も怖くなくなった。
俺、嫌われてなかったんだって。
何度も何度も唇を重ねる。そしてどんどん深くなってゆく。
そして太輔の方から、グッと引き寄せられ、強く抱きしめられた。
心を再び寄せてくれた気がして嬉しくて嬉しくて堪らないのに…
「たい…っ、けほっ！」
すっかり弱った俺の体は、それだけでむせてしまった。
急いで力を緩めて一度体を離した太輔が、今度は俺の頬を両手で包んだ。
F「こんな…こんなボロボロにするまで、傍にいなくて…ごめん…っ」
そして優しく抱きしめなおされた。
F「宏光…熱い」
「ん…大丈夫だよ」
久しぶりに下の名前で呼んでくれて、また嬉しくて、もう今は何もかもどうでもよかった。
でも想いとは裏腹に、体は言うことを聞かなくて、ふらふらと力が抜ける。
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櫻弓 想(プロフ) - yuzu_さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んでいただきありがとうございました！ (2021年9月8日 1時) (
レス) id: 6f25ef5bcc (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - とても面白かったです！ありがとうございました！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます！予定より長引いたのと、ずっとほとんど病系だけを書いてきたので、ラブラブシーン的なのは書くのが苦手であまり書けないんです…（笑）申し訳ありません汗 最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました！ (2021年9月8日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、完結おめでとうございます。毎日更新楽しみにしていたので終わっちゃうのは寂しいですがlast良かったです!!…その後もうちょっとラブラブな2人の話も見たかったです!! 笑。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年9月7日 23時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - . 柊月さん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉感謝すぎます（ ; ; ）もうすぐ終わりに差し掛かりますので、更新頑張ります！ (2021年9月6日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2021年8月26日 23時
