検索窓
今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:224,274 hit

12 ページ12

「はぁ…っ、はぁっ」


走ってもいないのに、動悸と息切れが酷くなっていく中、ほとんどたまに身を預けてトイレまでの廊下を歩く。


T「大丈夫っ?!疲れた?一旦止まる?!」

歩いているだけで息を切らす俺を見て、焦ってそう言ってくれるが

「平気…だから…っ」

心配して立ち止まってくれるたまの気遣いを、無視してしまって申し訳ないと思いながらも、俺は急かす。


「…う…ぅっ」


胃の中の物が口元まで迫り上がってくる感覚がかなり近くなってきて、思わず手で口元を押さえると、その様子に気づいたたまが、急いでくれた。


「…はぁ…っ、ごめ…」


トイレの入り口に近づくと、ここまで送ってくれたたまを手で押し返した。

絶対戻してしまうから…そんな姿見られたくなくて…


たまはそれを察してパッと入り口で止まってくれた。


「うぅ…っ、げほっ!」


ほとんど物を食べていないから、苦しいのにあまり出さなくて、それが逆に辛い…


苦しい中で、ぐるぐると色んな思いが回る。


またメンバーに迷惑をかけてしまった…心配をかけてしまった…

太輔にいずれ伝わってしまうのかな…どう思うかな

こんな弱い俺…もういらない?


俺…もう太輔に嫌われてるよね…


それから何度もえずきはしたが、胃液しか出ず、少し不快感が残ったままトイレを後にした。


「は…っ、はぁ…っ、けほっ」

吐いてしまったことでさらに体力を使い、息切れと立ちくらみが酷い…

鏡を見ると、頬がこけて顔面蒼白な自分が写っていた。

こんな顔してちゃ…そりゃ心配かけちゃうよな…


T「ミツ…?」

口を濯ぎ、手を洗っていると、様子を伺うように小声で名前を呼びながら、たまが入ってきた。

13→←11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (390 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
624人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

櫻弓 想(プロフ) - yuzu_さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただきありがとうございました! (2021年9月8日 1時) (レス) id: 6f25ef5bcc (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - とても面白かったです!ありがとうございました! (2021年9月8日 1時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます!予定より長引いたのと、ずっとほとんど病系だけを書いてきたので、ラブラブシーン的なのは書くのが苦手であまり書けないんです…(笑)申し訳ありません汗 最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました! (2021年9月8日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、完結おめでとうございます。毎日更新楽しみにしていたので終わっちゃうのは寂しいですがlast良かったです!!…その後もうちょっとラブラブな2人の話も見たかったです!! 笑。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年9月7日 23時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - . 柊月さん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉感謝すぎます( ; ; )もうすぐ終わりに差し掛かりますので、更新頑張ります! (2021年9月6日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2021年8月26日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。