嫌いが好きになる瞬間 【F,Kyosuke】

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京介side






京介「そろそろ花火見えるとこ移動していい？」






瑠花「あ、わかった！」






そうして瑠花さんと河川敷沿いを歩く。





花火の時の河川敷って人多いイメージでしょ？





実は全然いなくて穴場なんだよね。






瑠花「すご、」





そういう瑠花さんを見ると、あの時頭から離れないくらいだった甘い香りがまた香る。






それにまた釘付けになってしまいそうだった。






誰もいない河川敷沿いの道。…エモいとかこういうことなのかな。





こういう時、本当は手を繋いだりとかするのかもしれないけど、付き合ってもないし、もし振り払われたらとか考えるとできるわけなかった。






そう考えていると、夜空に大きな音を立てて花火が上がった。






瑠花「綺麗……！」






そうして1番綺麗に見えるところの縁石に、2人で
腰をかけた。





少し狭いから2人でちょっとぎゅっとなって座っているから、かなり緊張している。







瑠花「あ、星柄……！？」







瑠花さんは花火に夢中で全然そんなこと思ってなさそうだけど。






体勢を変えようと、組んでいた手を後ろの縁石を
掴もうとしたら





瑠花「びっくりした…笑！」






ちょうど瑠花さんの手がそこにあって、俺が瑠花さんの手を掴む形になった。







京介「ごめん」






瑠花「大丈夫だよ笑」







やっと落ち着いてきて、俺も花火を見始める。







茶色味のある瑠花さんの瞳に反射する花火は、実物よりもきらきらしているように見えた。

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