嫌いが好きになる瞬間 【F,Kyosuke】

19 ページ19

京介side






先生から荷物を持っていって欲しいとのことで、
資料を持ちながら廊下を歩く。






昼休みだからもう少しゆっくりさせてよと心の中でちょっと思ったけどまぁ持っていく。






ご飯食べてる時に水を買いに行こうとしただけなのに…運が悪かったなぁ。





瑠花「京介くん！」





後ろから俺を呼ぶ声がして振り返る。






京介「あぁ、瑠花さん」






瑠花「えっと…、」





そのまま固まったようにフリーズしてしまった瑠花さん。





京介「えっと……、笑？？」





目が少し泳いでいて、何を言うのか気になってしまう。





瑠花「ごめんなさい！なんでもない！」





そのままピューっと俺の横を通り過ぎて階段を下ってしまった。






京介「なんだなんだ…？」






そう思いながらも廊下をまた歩いていると、階段の方から声がした。




瑠花「わぁっ！！！」






バタッと階段に近いところにいた俺には少しだけ振動が感じられて、少し歩く足を早めて階段に行く。






京介「え、大丈夫？」





瑠花「ごめん……笑」






階段からコケたであろう瑠花さんがいた。





京介「歩ける笑？」





あまりにもにこにこしているので大丈夫なのか？という思いと、そのにこにこにつられて笑ってしまう。






瑠花「うん、歩ける歩ける」





そう言いながらも座り込んでいる位置から動かない。





瑠花「京介くん先に行って大丈夫！」





にこにこしているけど、ちょっと顔をしかめたりしている。これ怪我してるんじゃないの？





京介「怪我してるでしょ…？どこ？」





しゃがんで瑠花さんと目線を合わせると、目が泳いでいる。





わかりやすいんだな、笑





瑠花「いや、してないしてない」





首をブンブンと振っているけど、バレバレ。






京介「バレてるから」





そう言うと、観念したように足をだす。





瑠花「足首が転んだ時にちょっと捻ったみたい。」





足を見ると、少しだけ腫れているような気がした。





京介「じゃあ俺が支えるからちょっと頑張って階段降りて。」






そう言って瑠花さんに手を差し出した。

20→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す