バラエティ番組に出演する話＿6 ページ6
.
《ほんまにデカイんやなぁ》
すっご…と口をあんぐり開けたまま、男が2人の周りを歩く。
ほら、山田横に立ってみてよ、と催促された司会が隣に並んだ。
《どうですかね？私は178なんですけど》
《は〜、山田も身長高いと思ってたけど…
…2人は山やな》
男の言葉に、スタジオから笑いが起きる。
《2人とも身長いくつなん？》
《僕は192です》
《192！？すごいなー！
倉橋君は？》
《僕は187ですね》
《187！》
2人とも巨人やなぁ、と反応する男。
興味津々といった眼差しに、大谷と倉橋も笑っている。
《成長期とかはいつ頃？》
《僕は結構、フラットに》
《フラットに笑。じゃあ元からデカかってんな》
せやないとこんなデカくならんわな〜、と言って男が笑った。
《どうですか、倉橋選手は》
司会が倉橋にも尋ねる。
《えっと…逆に僕は短期間で来るタイプでしたね。
中三とかで急激に伸びたので、今はこんなに差がありますけど、中学卒業の時は一緒くらいだったんですよ》
思い出すように目をさ迷わせながら、倉橋が言う。
だがその言葉に、男がん？と首を傾げた。
《一緒くらい…？えーっと、倉橋君、それって誰と？》
《え、いや、翔平と…》
何かおかしいことを言ったか、というような表情を浮かべる倉橋。
その隣で、大谷も平然としている。
対照的に、男は大きく目を見開いた。
《ちょ、いやいやいや、それじゃ、中学同じやったみたいな…》
それに呼び方、翔平って、
困惑したまま、言葉を詰まらせた男。
観覧席の客がザワザワとし始めた。
どういうことや、といいたげな目を向けられた司会も、焦ったように固まってしまっている。
《え、っと……
お二人のご関係は……》
出方を伺うように司会が尋ねた。
再び注目を受けた2人は、顔を見合せて、躊躇いながらも口を開いた。
《《幼馴染、ですけど…》》
バラエティ番組に出演する話＿7→←バラエティ番組に出演する話＿5
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 721人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
も - シンプルにめっちゃ好きです！！ (2月6日 23時) (
レス) @page26 id: bb13583b4e (このIDを非表示/違反報告)
Waaaaka03(プロフ) - めちゃくちゃ素敵面白い文章で一気に読んでしまいました！！終わってしまっていたとは。。寂しいですがとても楽しく楽しく読ませて頂けました！！ありがとうございます！！ (8月11日 15時) (レス) @page26 id: 03c5b943b6 (このIDを非表示/違反報告)
アンコ(プロフ) - やばい、一気読みしてこんな素晴らしいのがおわりだなんてっっっ！！！！！素晴らしかったです♡大好きです。 (7月13日 2時) (レス) @page26 id: c83f1d8e6a (このIDを非表示/違反報告)
ふじ(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます…！ただただ自分の好きを詰め込んだだけだったのですが、面白いと言っていただけて嬉しいです！ (6月13日 20時) (レス) id: c62a0c8b8f (このIDを非表示/違反報告)
ふじ(プロフ) - たるとさん» こちらこそ！読んでいただきありがとうございました…！ (6月13日 20時) (レス) id: c62a0c8b8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふじ | 作成日時：2023年5月24日 17時
