二章:熟れない林檎 ページ3
五条side
朝のホームルームが終わり、授業までの休憩時間に入った。
転入生あるあるその1、質問攻めにされる。
そのターゲットになったAは、硝子から
「...ねぇねぇ、彼氏とかいんの?」
『...できたことないです』
「ほんと美人さんだよね。お父さん似?お母さん似?」
『どちらかと言うと母さんに似てるって言われてました』
「マジ?? お母さんめっちゃ美人なんだ〜、今度見てみたい」
『あ......つい数ヵ月前に亡くなって...』
「....ぅ、なんかごめん......
＿＿じゃーさ、五条と夏油ならどっちがタイプ?」
...質問を聞いていれば俺と傑の名前が出てきた。
女子の話は女子だけでしろっての。こっち巻き込んで来んな。
そう心の中では思っていたものの、内心少し期待していたり。
そりゃあ下心とかがある訳ではないが、こんな美人に好かれたらどれほ人生が楽になるか。
もっとも、女癖が悪そうだと評判な俺だけど。
『....どちらか......＿＿五条さんだけは絶対に嫌です』
...あれ???
俺の計画と違うんだけど。
此処でAが俺って言ってさ、鼻高々傑に自慢する予定だったんだけど。
「...悟、ドンマイ。まだ人生長いんだし、諦めちゃ駄目だよ」
「...あ?? 別に期待とかしてた訳じゃねーよ。俺、女に興味ねぇし」
「...五条、負け惜しみは良くないぞー」
「....だから興味ねぇっつってんだろ!!」
否定するさ。そりゃあ出鼻挫かれたんだから。
...まあ、そんな上手く行くわけねぇし。
どーせ傑とくっつくんだろ。わーってるよ、ンなもん。
...あーあー、俺ってカワイソー。
＿＿そこで、タイミング悪く授業の始まりを知らせる鐘が鳴った。
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作者名：辛味噌らぁめん | 作成日時：2021年9月12日 11時
