side審神者 其の参 ページ9
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『どうどう、落ち着け。
まぁとりあえず、此処の本丸の田畑を明日から耕そうと思うんだけど、どう？』
｢はーっ、まったく、うちの主は……しばらく部屋の中でじっとしてたら？ここのところ、書類だ何だであんまり休めてないでしょ｣
加州はやれやれといった様子で休息を促してくる。
『うーん、性分なんだよ、これ。何かしてないと落ち着かなくて。暇な時とか、今働いたらいくら稼げるかな、とか考えちゃうんだよ』
苦笑すると加州はげんなりとした顔をする。
｢うげー……でも主が畑仕事するとしたら俺も駆り出されるでしょ？俺、畑仕事嫌いなんだよねー｣
『それは心配しなくていいよ。私のわがままだし。それに畑仕事は多分やってる人がいるよ』
そう言うと、加州は自分の爪から顔を上げ、こてん、と首をかしげた。
｢え？だって内番やってないんでしょ？｣
『そうだけど、ちゃんと野菜が育ってたから。きっと誰かが世話してるんだと思うよ』
そう言うと、加州はふーん、と興味がなさそうに言った。
｢意外と主そういうところ見てるんだね。
ま、俺がやんなくていいならいっか。｣
『ふふ、加州らしいね。あぁ、でもできるだけ一緒に行動すべきだと思うんだ』
｢当たり前。何があるかわかんないし。俺はゆったり主がせっせと働いてるのを横目にお茶でも飲んでるからー｣
加州はひらひらと手を振ると、立ち上がって、お休み主、と言って隣の部屋に引っ込んでしまった。
私も寝る支度をして、隣の部屋に居るだろう加州に向けて声を掛ける。
『じゃあ、そういうことで。明日から、少し楽しみだな。
お休み加州』
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作者名：あの。 | 作成日時：2019年2月9日 17時
