チャラ男と地味男の化学反応 (ページ2)

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(F)

少し気まずい雰囲気を残しつつも、俺と渉はすぐに仲良くなった。

放課後も一緒に遊び、休日も家族ぐるみで出掛ける程親しくなった。

だけど、あのチャラ男と小さい頃からの友達だったらしいことには渉も触れることはなく

渉の親友である俺と、同じく親友であろうあのチャラ男との面識はずっと無いまま…いつの間にか3年になっていた。

「おっしゃ！また渉と同じクラスじゃん！」

「さすが親友のたいしゅけくんだねー」

「渉また噛んでやんの！」

「うるしゃい！」

「あははは！」

クラス表の前でケラケラと笑い合う。他の仲良しグループも同じようにはしゃいでいて、廊下はごちゃごちゃとしている。

そんな混沌とする中、俺の耳は別に拾ってほしくもない言葉を拾ってしまう。

「宏光だけSクラスじゃーん。ちょー寂しい」

(アイツ…今年は別のクラスなんだ)

なんの因果か、1、2年と同じクラスだったあのチャラ男。今年は離れたよう…アイツが居ると、渉が向こうに行ってしまうのを見てしまうから

ハッキリ言って、ウザかった。

だから、今年は渉を独り占め出来て嬉しい

嬉しい、はずなのに。

時折ぶつかる視線が目に浮かんできて
何とも言えない気持ちになった。

よく分からないこの気持ちに、名前を付けることなど出来るはずもなく

いつの間にか、モヤモヤはムカムカに、苦手は嫌いになって

俺の中の認識も、「苦手なチャラ男」から「渉を取るムカつく嫌な奴」に変わった。

別に嫌いになる理由なんて、どこにもないのに
何だか気になっちゃってる自分が嫌で

アイツに八つ当たりしてるって

自分でも薄々気付いてた。

でも、見ないふりして、楽な道を選んだ。

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