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fünf ページ6

地上に舞い降りたギルベルトはAが入院している病院へと向かった。




向かわなくても良いのだ。2ヶ月経ったらまた来て、魂を奪えば良い。なのに、Aが心配でたまらなくなってしまうのだ。














普「ケセセセ、また来ちまったよ…。俺は死神、人間と馴れ合うことは許されねーのに」

彼は自嘲的に笑い、窓の外から病室を見つめる。













人間に化け、窓から病室に入ろうとしたのだが…。

部屋には先客がいた。見るにAと同じぐらいの年の少年だろうか。








彼の名をアントーニョ、といった。Aの幼馴染である。Aの体が弱い事、そしてもう彼女が長くない事も知っている。











西「お前、また倒れたんやってなぁ…。母さんから聞いたんや。無理すんなってあれほど言ったんに…」


アントーニョの瞳からは涙が溢れる。一粒では止まらず、ポロポロと溢れていく。









その様子を外から見ていたギルベルトは思ったのだ。アントーニョはAのことを想っているのだろう、と。きっとそれは本人ですら自覚していない事だ。






それを見ていると、その事が分かってしまって、ギルベルトは自らの胸がズキン、と痛んだ気がした。














普「何だよ、今の…。俺様は死神だ…でもまさかな」


人間に恋をしてしまったのではないか。そう思ったのだ。だが、天界の掟で人間と死神の恋は禁止されている。

例え、想っていても口に出さなければいいのだ。それを突き通すことは難しいだろうが。



















仮にAの目が覚めたとしても、ずっと苦しむのは目に見えている。なのに、自分は見て見ぬ振りをして2ヶ月後に魂を奪うのか?






ギルベルトは大いに揺れた。

このまま放っておいて、苦しむのを見続けるのか。あるいは、苦しませないような方法を探すのか。




苦しませない方法を見つけたとしても、それを実践して仕舞えば掟に反するのだ。きっと彼はその事に気づいている。



















普「探してみるか、あいつを助ける方法。なってったって俺はあいつの友達だからな…!」


自分のことを“友達”と言ってくれたAの力に少しでもなりたいから。






天界にヒントはないかと、黒い翼を体から生やし、空へと飛んだ。

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はる@四季(プロフ) - 三六 月さん» おぉお!本当だ!皆さんありがとう、 (2022年12月17日 20時) (レス) id: 17e09ea40f (このIDを非表示/違反報告)
三六 月(プロフ) - おぉ!!星に色がついてる!おめでとー!!! (2022年12月17日 20時) (レス) id: c56d0b069e (このIDを非表示/違反報告)
はる@四季(プロフ) - モブキャラAさん» ありがとう! (2022年12月11日 7時) (レス) id: 17e09ea40f (このIDを非表示/違反報告)
モブキャラA - ウア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッ!!!!!もう、好きだ。うん。激重世界観大好きだからめちゃめちゃありがたい…………!!!新作も全力で応援するぜ✌️素敵な作品をありがとう…………😇 (2022年12月10日 22時) (レス) @page4 id: cebb1c38ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はる@四季 | 作者ホームページ:No.  
作成日時:2022年11月11日 21時

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