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8話目 ページ8

「う、うちは…いいよ。」

「どうした?何か不都合でもあるのか?」

「不都合…というか…。」

「あっ、まさか有名人だとか!?」

「そんな訳ないでしょ、剛…。」

隠していた訳ではないけど、実は私の親はもうこの世には居ない。

親代わりの人が居るし、特段困った事も無かったから話さずにいただけ。

…何て話せば良いんだろう?

「急いではないから考えておいてほしい。」

「うん、わかった。ごめんね、煮え切らない返事で…。」

「急がないよ〜。俺も緊張しちゃうし!?」

「お前も緊張する事があんのか、野性児?」

両手を外国人みたいに上げて笑う剛を見て、源は小馬鹿にしたような口調で言った。

「するよ!親に…えっと…挨拶とか!?経験ないし!?」

「俺があるみたいに言うな、バカ。」

二人のやり取りに笑いながら、親代わりの人にどう切り出そうか頭を悩ませる。

お堅くて、真面目で…3人でお付き合いしてるとか言ったら烈火の如く怒り出すんだろうな〜。

「A、顔が怖いよ?」

「えっ、そんな顔してた!?」

源は「大丈夫か?」と肩を抱いてきて、「俺も〜。」と剛もその上から抱き付いてきた。



「あのね、会って貰いたい…えっ、ちゃんとした人だよ!私より年上で…もう、心配し過ぎだから!」

親代わりの人に連絡をすると頭ごなしに大丈夫か、変な人じゃないかと捲し立てられる。

二言目には責任があるからって煩くて、耳を塞ぎたくなるんだよね。ちょっと心配性なのかな?

「で、今月、都合の良い日を教えてほしくて。うん、都合は合わせるよ。わかった、LINE待ってるね。」

電話を切って胸を押さえ、壁に掛かったカレンダーを見る。

…はぁ…緊張する。怖いな…。

来る日を考えるとどうなるのかと不安で、1人重い気持ちで項垂れた。



「ね、変じゃない?可笑しくない!?」

「お前はさっきから同じ事を何回聞くんだ!うるさいっ!」

挨拶の日の朝…二人はスーツに身を包み、そわそわと落ち着かない様子。

「スーツじゃなくても良い「第一印象が大事だ。」」

ネクタイを窮屈そうに動かして源が答える。

「○○ホテルのラウンジに12時だよね〜?」

「うん。私は先に行くから…遅れないように来てね。時間にうるさい人だから。」

二人の頬に唇を合わせ、緊張した面持ちで鏡を覗く私。

「じゃ、行ってきます。」

いつもより高さがあるヒールを履き、気合いを入れて玄関のドアを開けた。

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作品ジャンル:タレント
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作者名:fugurifurifuri0 | 作成日時:2020年12月25日 15時

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