27話目 ページ27
「Aっ「こら！落ち着け、何勝手にドア開けてんの！」」
ドアが開く音に剛と…久美子ちゃんの声？
「今は6�僂辰討箸海�な？8�僂砲覆辰燭虔�娩室に行きますね〜。」
「あ、はい。」
「赤ちゃんも頑張ってるから、お母さんも頑張りましょう！」
私の肩を叩いて微笑み、ドアを開けて「お待たせしました。」と助産師さんは去っていった。
「A、大丈夫！？痛か「これからが正念場だよ。私が来たから安心して〜。」」
バタバタと側に来た剛を押し退け、久美子ちゃんはベッドサイドに腰を下ろす。
「…5分間隔ってとこか。」
監視装置から出る用紙を見て呟いた。
「久美子ちゃん、仕事は大丈…っ、はぁ…痛…い。」
「はい、深呼吸〜。」
強い力で腰を擦られると痛みが軽くなるような気がして心地良かった。
源と剛は手持ちぶさたな様子で顔を見合わせ、不安そうな視線を投げ掛けてくる。
「Aには私が付いてるから、あんた達は休憩してらっしゃい。まだまだ時間かかるよ。」
「いや、大丈夫です。」「うん、側から離れんの嫌だ。」
口々にそう言って大きく頷いた。
段々と呼吸する事さえも辛くなる程の痛みになり、周りを気遣う余裕も無くなってくる。
私は久美子ちゃんに甘えっぱなしで呻き声をあげ続けた。
「うん、そろそろ分娩室に行きましょうか？思ったより早く産まれそうですよ。歩けますか？」
「な、何とか…あっ、待って…。」
立ち上がった途端に陣痛に襲われ、立ったまま痛みが去るのを待つ。
収まってる間に急いで分娩室に移動し、3人に「行ってきます。」と手を振った。
「が、頑張れ。」「俺…待ってるから！」「A、しっかりね！」
私は精一杯の笑顔で答え、分娩室の中へ。
意を決して分娩台に登り、無我夢中で痛みと戦う。
全身がバラバラになりそうな陣痛に耐え、必死で何度も息んで…赤ちゃんは産声をあげた…。
「おめでとうございます、元気な女の子ですよ！」
助産師さんが赤ちゃんを抱えて見せてくれ、元気な産声に涙が溢れてくる。
「…可愛い。」
赤ちゃんは計測と処置をしてもらい、私はその姿を見ながら無事に胎盤も娩出。
「ご家族に入ってもらいますね。」
産着に包まれた赤ちゃんを手渡され、上半身を軽く起こしてもらった。
「あ、赤ちゃん…Aっ、ありがとう！」
「…A、お疲れ様、ありがとう。」
両サイドから私の頭を撫でて赤ちゃんを覗き込む。
久美子ちゃんはハンカチを口に当て、大粒の涙を溢していた。
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作者名：fugurifurifuri0 | 作成日時：2020年12月25日 15時
