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「つまり…良いって事？」
剛の声が何となく上ずって聞こえるのは気のせい？
「と、とりあえず…今夜は寝るか！」
源は源で腕を振り回し、取って付けたような妙な話し方でベッドに横になる。
「う、うん、俺も疲れたし寝よ！」
剛もハハハ…と乾いた笑顔でベッドに潜り込んだ。
…え、何？何も無いの！？
部屋の明かりまで消され、二人は何も話さない。
覚悟を決めてきたのにと何故か残念な気持ちとホッとする気持ちがない交ぜになって…モヤモヤとする私。
「ね、ね、何も…しないの？」
起き上がって話しかけると二人は黙ったまま私を見て頷いた。
「ちょっとまだ…覚悟が出来てない。」
「俺もどうすれば良いのか…。」
「覚悟って？どうすればって？」
「そもそも…3人でって経験も無いし、何がベストなのかまだ考えてなかった。」
源も起き上がってきて、ため息混じりに話す。
「俺らは俺らなりにAに対して優しくしたいとか…色々とあんのよ。だから暫く待って？」
剛は布団から顔を出し、眉を下げて笑いかけてきた。
「…わかっ…た。じゃ、自分の部屋に戻ろうかな。」
「ここで寝れば良いだろ？」
源は私の手を握ってきて、子犬のような目をする。
「一緒に寝ようよ、A、ね？」
「ご、剛まで…。わかった、ここで寝る。」
二人は大きく頷き、嬉しそうな表情を浮かべた。
「…猫と寝てるみたいだよ…。」
真夜中に目覚めると案の定、私にぴったりとくっついて寝る二人にため息をつく。
剛の寝顔は女の子みたいに綺麗で、源の寝顔はあどけない子供みたい。
手を伸ばし、そっと二人の頭を撫でてみる。
「剛、源、大好きだよ。」
小さな声で囁くように言って、幸せな気持ちでまた眠りについた。
「あっ！ヤバイっ、起きて！起きて！」
目が覚めると…家を出る時間の30分前！！
「あれ？アラーム…あっ、こんなとこに！」
私のスマホを背中の下に敷いて寝ていた源。
「二人共、寝相が悪いんだから！ほら、早く起きないと遅れるよ！」
「遅れても…良い。」
「うん、俺も…Aと二度寝した〜い。」
「あ、もう引っ張らないで！起きて、源、剛〜！」
ジタバタと二人の間から抜け出し、急いでパンを焼いてコーヒーを入れる。
暫くして慌てて起きてきた二人はパンにかじり付いて家を飛び出していった。
「私が大人になるのはまだもう少し先かな〜？」
せっかく付けた可愛い下着を胸元から覗き、苦笑いをしてコーヒーを啜った。
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作者名：fugurifurifuri0 | 作成日時：2020年12月25日 15時
