星野源の奥さん…みたいです。 (ページ8)

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「…あっ、ラジオ始まってる！」

ご飯を食べ、お風呂にも入り、ラジオに集中する準備万端で居たのに、いつの間にかソファでうたた寝…。

急いでラジオを付けるとゲラゲラ笑う源の声が聞こえてきた。

〈しかし奥さんに弱いですよね～。いつも連絡ばっかしてません？〉

《惚れた女に連絡して何が悪いんだよ。やっぱ気になるでしょ、何してんのって。》

〈いやいや…源さんの奥さん大好き病は異常ですって！〉

《異常でも何でも俺と奥さんが幸せなら良いの！ではここで一曲流したいと思います。曲名は…。》

～♪

流れてきた曲は可愛いダンスが人気を博した、私の大好きな曲。

「やだ…源って、ラジオで私の事話してるんだ。何か怖くて聞けなくなっちゃうよ。」

嬉しいような、気恥ずかしいような複雑な心境になる。

病院でママが言ってた言葉、私が居ないとダメな人って意味がわかったかもしれない。

経緯はわかんないけど…私って…源に物凄く愛されてる…。

「何だかおとぎ話のお姫様にでもなったみたいな気分。」

突然、魔女が現れて「はい、夢でした！」って言われても納得しちゃうよ。

夢見心地でクッションを抱き締め、流れる歌を口ずさんだ。

「…A？気持ち良さそうに寝てんな。」

源の声が聞こえた気がして目を開けようとすると、体が宙にふわっと浮く。

「えっ、あ…えっ！？」

「ったく、寝るならベッド。風邪引くだろ？」

顔と顔がくっつきそうな距離に源の笑顔が見え、いわゆるお姫様抱っこをされてるんだと気付いた。

「わっ、お、降ろして。」

「暴れたら落ちる。落ちたら痛いぞ～？」

「や、やだ。」

「なら大人しく抱っこされてなさい。」

決して軽い方ではないと思うのに簡単に私を抱いて歩く姿に胸が高鳴る。

まるで…やっぱり…。

「お姫様みたい。」

「お姫様がどうかした？」

「え、あ…何もない。」

口を押さえて首を振ると源は微笑み、「俺のお姫様。」と呟いた。

「えっ、そんなの無理だよ！」

翌朝、朝食を作っていると飛んでもないお願いをされてしまう。

「無理じゃないから。って、Aはもう何本も俺のMV出てるし。」

「嘘っ！」

「本当～。」

私がMVに出てるとか知らないし、そもそも記憶が抜け落ちてる期間にどんな曲を出してたのかさえも知らない。

「飯食ったら見てみる？」

「う…うん。あ、見るだけだよ！？」

「…さぁね～？」

源は笑って両手を上げ、棚から何かを取り出した。