星野源の奥さん…みたいです。 (ページ18)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:52,875 hit

１８ページ18

「…そんなに…見ないで。」

「…可愛い。」

初めて抱かれてぐったりとする私の髪に触れ、優しく微笑む。

「私…初めてだけど初めてじゃなかったんだよね。」

「うん、体は…ね。」

源に翻弄され、目眩く味わった事のない波に何度も飲み込まれ…。

さっきまでの行為を思い出し、顔が熱くなってくるのを感じる。

「ん？暑い？」

「う、ううん、暑く…ないよ。」

「シャワー浴びる？」

「…動けない…。」

「そんなに良かった？」

意地悪そうな顔をして源は起き上がり、腕を上げて伸びをした。

「…そんな事…聞かないで…。後、早く何か着て？…照れ臭いよ。」

意外と筋肉質な背中に話しかけ、布団に潜り込む。

「おーい、隠れてないで出てこーい。」

「やだっ、捲らないで。恥ずかしいから！」

「うー、A～！」

嫌がる私にガバッと抱き付き、「おかわり良い？」と聞いてきた。

「お、おかわり…って？」

「おかわりはおかわり。俺の源ちゃんが源ちゃんになって「い、意味わかんないよ。」」

「それ程…愛してるって事。」

額、頬、鼻の先と唇が降りてきて、唇と唇が合わさる。

「っ、源…。」

「A、A…。」

ゆっくりと体が繋がっていき、吐息を漏らしながら広い背中に腕を回した。

「映画の撮影なんだ？」

「うん、そう。離島での撮影だから「またそんな子犬みたいな顔するんだから～。」」

「10日もかかるって有り得ないだろ！？」

映画の仕事が来たと喜んでいたのもつかの間…。

泊まりでの撮影に何度もため息をつき、荷物を纏めるのがなかなか捗らない。

「こら、星野源！しっかりしろ！」

「…え？」

「やってみたかった映画の仕事でしょ。それにファンの一人として言わせてもらうと楽しみで仕方ない！だから…ほら、頑張って！」

握り拳を作り、力説すると吹き出してラグに座り込んだ。

「ファン目線で力説されたら笑っちまう。」

「未だに…星野源のファンだよ、私は。」

「ファンの前に俺の奥さんだろ？」

「…だって…源が主演の映画…観てみたいんだもん。」

「…分かったよ。Aに観せる為に頑張ってくる。Aを喜ばせる為に。」

ソファに座った私の足に抱き付き、深～いため息を付く。

「良い子、良い子。美味しい物を沢山作って帰って来るのを待ってるからね。」

「何にもいらない。ただ…帰ってきたら抱き締めてくれるだけで。」

よし！と気合いを入れて源は支度を始め…翌朝「行ってくる！」と元気に出掛けていった。