星野源の奥さん…みたいです。 (ページ22)

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「…真っ暗。せっかくのAのか「真っ暗じゃないでしょ。」」

流石に真っ暗だと危ないという事で渋々棚に置いたアロマキャンドル。

浴槽のお湯は入浴剤で濁らせ、肩まで浸かっている私。

「ま、入ってくれただけで良しか？これから慣れてけば良いし。」

ザブッとお湯を体に掛け、浴槽に足を突っ込んできた。

「源は…私の後ろに入って。」

「…後ろ？前で良い「照れ臭くて顔が見れない…。」」

背中を向けて座り直すと「はい、はい。わかりましたよ～。」と私を足の間に挟んで抱き締めてくる。

「げっ、源、待っ「何もしないから抱き締めるだけ。ん？それとも期待してた？」」

「…してないよ。してないけど…。」

「けど…？」

「今夜から源と一緒に眠れるんだなと思ったら…嬉しい。」

「そんな可愛い事言われちゃうと…襲いたくなる～。」

うなじにグリグリと顔を擦り付けてきて、ふっと鼻で笑った。

「お、襲うって…バカ。」

「うん、バカ。俺はAの事となったらバカだから。」

「私も…バカだよ。バカだって今回確信した。」

「…バカ。」

私が頷いて笑うと源も笑い出し、「似た者夫婦。」だと更に笑い合う。

「今日は早めに…寝よっか？」

「…うん、そう…だね。」

唇が重なってきて、それは段々と深くなり…その夜は深更まで互いに求め合い続けた。

映画の撮影も無事にクランクアップを迎えたある日、海に行こうと突然誘われる。

「う、海？また…どうして急に？」

「ん～、イメージがちょっとね。潮風に吹かれたいなと思って。今日は1日オフだし。」

「イメージって曲作り？」

「そう。爽やかな感じの曲を考えてる。」

フンフンと鼻唄を歌い、「行こうよ。」と腕を引っ張ってきた。

「ちょっ、ちょっと待って、掃除機「そんなのはあいつに任せれば良い。」」

コンセントを抜かれ、部屋の角にちんまりと鎮座する自動掃除ロボを指差す。

「掃除は自分でしたいんだもん。」

「今日ぐらいは妥協しな。ほら、行くよ！」

「着替えるから！海辺は焼けるから用意するまで待って！」

そそくさと靴を履いて玄関で待っている姿を見て「子供みたい。」と微笑んだ。

「うわっ、冷たい！」

波打ち際でビニールシートを敷いて腰を下ろすと海風が心地いい。

源は濡れないように飛び跳ねながら、波と戯れている。

「遊んでるだけでMVに見えちゃう。」

「海で撮るのも悪くないか～。」

私を見て頷き、「その時はよろしく。」と笑いかけてきた。