甘い…生活？ (ページ6)

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6話目ページ6

…な、何を私、怒ってんの？働いてないって、面接だって言えば良いだけなのに。それに二人は大人なんだから、あんな所に居ても不自然じゃない…のに。

「キャッ「うっし、捕まえた～。俺が足早ぇの、知らなかっただろ？」」

突然後ろから抱き抱えられ、「源ちゃん、早く！」と叫ぶ。

「ご、剛！？離し「やだよ、逃げるもん。」」

「逃げな「直帰許可貰った。帰るぞ。」」

ぜぇぜぇと肩を大きく揺らした源は停車しているタクシーを呼び寄せ、3人で乗り込んだ。

誰も話さない…気まずい空気が車内に流れる。

～♪

私のスマホから音楽が流れ出し、慌てて音を消そうとしたら剛が…。

「あっ！返し「…アクトレス…ね。」

「アクトレス…か。」

二人はそう言ってため息をつき、鳴り響くスマホの電源を落とした。

「何であんなとこに居た？」

帰った途端に源が尋ねてきて、私は黙り込む。

「アクトレスから電話って、何か関係あんの？」

「関係…ないよ！それより…二人ともいつもよりお洒落してあんな所に居て、遊びに行くつもりだったんじゃないの！？」

VネックのTシャツにロングシャツを羽織る源、サングラスをして所々透け感のある網ロンTの剛。

お気に入りのお姉さんに会いに行く為にお洒落したんだと思うと何故か腹が立って、悲しくて…。

「ここに住ませてもらった事は感謝してる。でも私が居ると邪魔な事もあると思うから稼いで出て行きたいの！私だってもう大人なんだからほっといて！」

ぼろぼろと涙が溢れてきて、泣き止もうと下唇を噛んでも効かない。必死で声を押し殺して涙を拭った。

「ん…あぁ…とりあえず…泣き止め。」

目を細め、天井を見上げる源。

「じゃ…何で俺らが居たか話すから…泣かずに聞ける？」

「聞きたくない！」

聞きたいけど、他の女の人の話なんて聞きたくなんかない。

「A、こっち来て座れ。全部…話すから。」

源に手を繋がれてソファに座らされた。

そして二人は私の前に正座して座ると何かを取り出して差し出してくる。

「俺らは仕事であの街に居たんだよ。」

「今度ガサに入る店の事前調査だ。」

「仕事…ガサって…何を…。」

涙で見えにくい目を擦って二人の手をよく見ると…そこには警察手帳が握られていて、名前も貼られた写真も紛れもなく二人で…。

「巡査…部長？二人…が？」

青い制服にネクタイをして、真面目な顔をしている写真を信じられない気持ちで見つめていた。