甘い…生活？ (ページ4)

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4話目ページ4

「拒否権ねぇっつったろ？」

私の両腕を押さえ込んで微笑む源。

「それ以上はダメだかん「お前と一緒にすんな。」」

剛は肩肘をついてふーんと頷いた。

「源…どいてよ。」

こんな至近距離でベッドの上でこんな体制を取られたら…また更に意識してしまう。

わざと冷たい声を出して言うと手をしっかりと握って隣に寝転んだ。

「A、こっちにも手！」

ヒラヒラさせている剛の手を握り、私は目を瞑った。

…源の手は柔らかくて大きいな。剛の手は指が細くて綺麗だけど関節が出てる。

そんな事を考えてたらじんわりと手汗が滲んでくるのを感じ、手をもぞもぞと動かした。

「…眠れないか？」

「源は寝にくくない？」

「Aの手握ってたら落ち着く。」

両手で私の手を包むようにして源は握ってくる。

「剛も大丈夫？」

「Aの手小せぇ。可愛い、可愛い。」

親指で私の手の腹を撫でながらニッコリと笑う。

「部屋の電気消すぞ。」

源がリモコンで明かりを消し、「おやすみ。」と皆で眠りについた。

が…。

寝返りが打てないのが辛くて眠れない。更には二人が私の手をきつく握ったり、頭を乗せてきたりが気になって眠れる状況じゃ…。

それでも数時間経つとそれぞれが寝返りを打ち、自然と手が離れていった。

「ん…重い…？」

そっと目を開けると剛は背中から、源は前から抱きついてきている事に気付く。

振り払ってしまおうかと思ったけど…二人の気持ち良さそうな寝息が聞こえ、「仕方ないか。」と私もまた眠りについた。

～♪

スマホのアラームが鳴り響き、止めようと頭の上を探ると誰かの顔に触れて飛び起きる。

そこには源が眠っていて、剛は剛で私の腰辺りに頭を置いて丸まって寝ていた。

…あんまり眠れなかったけど、私の事を心配して一緒に寝てくれたんだよね。

二人を起こさないようにベッドを抜け出し、朝食の準備を始めた。

「うわぁっ！」「何してんだよ！」

突然叫び声がキッチンまで聞こえてきて、慌てて部屋に入ると珍しく起きている二人。

「おはよ「おはようどころじゃねぇよ！」」

「どした「目ぇ覚めたら…源と抱き合ってた。」」

お互いがお互いを指差し、「気持ち悪ぃ！」とまた叫んだ。

二人には申し訳ないけど、泣きそうな顔をしているのが面白くて大笑い。

「もうっ…お腹っ…痛…い…。」

「お前は面白いかもしれねぇけど…。」

「Aが笑ってるからまぁいっか。」

剛と源も笑いだし、大きな笑い声が響き続けた。