6 ページ6
病院を出てからもローの機嫌が好転することはなかった。
それでも降ろせとは言われないし、薬局から拝借した荷物も持ってくれるしで相変わらずローはクラゲの腕の中に収まっていた。
『あのークラゲさん、別に離していいんだぞ？』
『ダメだ。コラソンは目を離すとすぐすっ転ぶからちゃんと握っとけ』
片手にローを抱え、反対の手でコラソンの腕を引き足速に森を抜ける。
追手の気配は森の入り口あたりで止まっているが出来るだけ距離を取りたい。何処か休める場所がないか探りながら足を進める頭の中に2人の会話が聴こえてくる。
棘はなく、柔らかい色の声にこちらまで楽しくなってきた。
『ロー、おまえ、そんなの持ってたか？』
森の奥で見つけた小さな洞穴は動物が棲家にしていたのか、大量の木の葉が敷き詰められていて休息場所としては最上級の環境だった。
『俺のじゃない』
［ちょっと貰ってきた］
洞穴を温めるために火を焚き、その前に戦利品を広げるとローとコラソンが覗き込んでくる。
そういえば、貰ったものの手入れをしているとウタも寄ってきたっけ。
『薬か？』
［薬の材料かな］
一つ一つでは毒でしかないものも掛け合わせれば薬にもなる。
そう教わった。
［鉱物毒には鉱物毒
コレは鉛中毒への対症療法でローの病気にどれだけ効果があるかわからないけど、何もしないより価値はあると思うから］
本来であれば鉛が沈着する前に摂取すべきものだけど、現在でも進行しているということはまだ血中に白鉛が存在しているということだろう。
［飲むかはローに任せるよ］
『なんだよそれ』
［ぼくの知識は教えてもらっただけのもので、ちゃんと認められたものじゃない
それに、奴 隷の作ったものを口にしたくない奴もいる］
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トト(プロフ) - 早桃さん» ああ、そんな、恐れ多いです！ありがとうございます！のんびり楽しんでいってくださると嬉しいです。頑張ります！ (2023年3月17日 17時) (
レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - え､､､？めちゃくちゃ最高な作品じゃないですか？？ありがとうございます！もう面白すぎて一気に読んじゃいました！これからも無理せず更新頑張って下さい！応援してます！ (2023年3月16日 22時) (レス) @page14 id: 363e501944 (このIDを非表示/違反報告)
トト(プロフ) - 名無しの権兵衛さん» うわー！いつもありがとうございます！いつものごとく見切り発車ですが頑張ります！ (2023年2月19日 9時) (レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権兵衛 - やったーーーーー！！！！続編だーーー！！更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ (2023年2月19日 6時) (レス) @page2 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：トト | 作成日時：2023年2月18日 19時
