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オト
頭の中に響いた声に全身が歓喜した気がした。
シャンクスの声だ。
初めて聴こえた。呼んでくれた。
嬉しくて、呼び声に答えたくて振り返った。
目の前に見えたのは愛おしい赤ではなく、無機質な鈍色だった。
『オト！』
これは助けたクルー
大丈夫、大したことない。
『てめぇ！！俺の弟分に何しやがる！』
これはライムジュースだ。
なんともないから、そんなに高いところから飛び降りたらライムジュースが怪我をしてしまう。
久しぶりの戦場に浮き足立ってるのは僕も同じだったみたいだ。
『無事か？！無事だな！』
斬りつけてきた敵を吹っ飛ばしたライムジュースが全身をくまなく触って確認してくる。
何度も首を縦に振ってようやく納得してくれた。
ライムジュースはちょっと乱暴で、結構過保護だ。見た目の割にだけど。
戦闘はまだ終わってない。
元々決まった武器はないからその辺に転がってるものを拝借した。
聞こえなくてもちゃんと役に立てると示せればきっと…
武器を手に敵を見据えると髪を伝った水が目に沁みた。
顔を拭おうと手を持ち上げて、ふと考えた。
なんで髪から水が滴るのか。
確かに雨が降ってる。
嵐だし、横からも叩きつけられている。
それにさっき波も被った。
ゆっくりと自分の頭を触れた手に濡れた髪が絡みつく感触を感じた。
『オト、どうした？』
帽子がない…
慌てて辺りを見渡せば帽子は案外すぐに見つかった。
元の色を更に濃くするほどぐっしょり濡れ、誰かに踏まれたのか足跡もついていた。見るも無惨というほど酷くはないけどちょっと残念な気持ちになった。
被り直すかは兎も角、帽子を拾い上げて初めて気がついた。
つばの真ん中に大きく入った切り込み。
「あ、ぅあ…」
目の前が真っ赤に染まったような気分だった。
吸ってるはずの空気が喉に詰まったように息苦しい。
聴こえる声がうまく認識できない。
近くに誰がいるのかわからない。
ただ1人。排除すべきものだけがよく見えた。
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トト(プロフ) - 名無しの権兵衛さん» コメントありがとうございます。ノリと勢いだけで書いているのでペースがまちまちですがのんびりお付き合い頂けると嬉しいです。 (2023年1月24日 6時) (
レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権兵衛 - めっちゃ面白いです！いつも更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2023年1月24日 0時) (レス) @page24 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
トト(プロフ) - 穹さん» コメントありがとうございます。にわか過ぎてキャラがいまいち定まっていない気がしていますが、楽しんでいただけていたら嬉しいです。 (2023年1月22日 17時) (レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - とても面白いです✨ライムジュースたちのオトくんへの対応が優しすぎて…🤦♀️応援してます✨ (2023年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トト | 作成日時：2022年12月30日 23時
