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ルフィの頭を撫で回す麦わら帽子がベックマンの手からグラスを掻っ攫っていく。
「おいシャンクス」
へらっと笑ったシャンクスはグラスに残っていた酒を飲み干すと、ぼんやりと見上げるオトを帽子の上から撫でた。
「ずっと聞こえねえのか…？」
「今だけだ。うちの船医は優秀だからな、きっと治るさ」
「もうオトの歌は聞けねえのか…」
小さなルフィの声にオトが反応した様に見えた。
驚いた様な、どこか嬉しそうな表情で口を開きかけて少し固まり、ゆっくりと口元を引き締める。
何か書き付けようと持ち上げられた手に握られているペンに違和感を覚える。
あれは、船の備品として置いているものだ。
「オトの…ルフィ、それはいつ聞いたんだ？」
「シャンクスたちが前に来た時だぞ。前もその前もそうだ！
オトの歌すっげえんだ！むっずかしい言葉だけど優しくてな！」
「オトは歌について何か言ってなかったか？」
ウタが幼い頃、泣いて手がつけられなくなると決まってオトが歌う歌があった。
聞きなれない言語のその歌についてオトは、どこで聞いたのか、誰に習ったのか、どの様な歌なのか、いくら聞いても首を振るだけで頑なに答えようとしなかった。
ウタが赤髪海賊団の音楽家を名乗る様になった今ではオトの歌は酔って上機嫌になった時に溢れる程度になってしまった。
シャンクスに問われ、腕を組み難しい顔をしてみせたルフィがあっと声を上げる。
「待ってるって言ってた！
なんかよくわかんねえけど、待ってる歌なんだってよ」
「待ってる、か」
考え込むシャンクスを横目に奪い返したグラスに酒を注ぐ。
オトの歌は確かに不思議な魅力のある歌だった。しかし、そこまで拘るようなものか。
思えばシャンクスは初めからオトの歌を気にしていた。
「何かあるのか」
「わからん！ただ、オトは随分と大事そうにあの歌を歌うからなあ…気になるだろ」
「はいはい」
たまに何を考えているのか掴みかねるが、今回は思ったより深い事情はなさそうだ。
「なにそれ…」
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トト(プロフ) - 名無しの権兵衛さん» コメントありがとうございます。ノリと勢いだけで書いているのでペースがまちまちですがのんびりお付き合い頂けると嬉しいです。 (2023年1月24日 6時) (
レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権兵衛 - めっちゃ面白いです！いつも更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2023年1月24日 0時) (レス) @page24 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
トト(プロフ) - 穹さん» コメントありがとうございます。にわか過ぎてキャラがいまいち定まっていない気がしていますが、楽しんでいただけていたら嬉しいです。 (2023年1月22日 17時) (レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - とても面白いです✨ライムジュースたちのオトくんへの対応が優しすぎて…🤦♀️応援してます✨ (2023年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トト | 作成日時：2022年12月30日 23時
