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「オト？」
襲撃から2日、医務室の住人と化していたオトの目がゆっくりと開かれた。
眩しそうに何度も繰り返される瞬きに張り詰めていたホンゴウから笑みが溢れる。
「今お頭たちを呼んでくるから、大人しく寝てろよ」
触り心地のいいオトの髪を撫でて部屋を出た。
船長と副船長、それからウタを呼んでやろう。ライムジュースとヤソップ、ルゥたちも会いたがっていたがいきなり大勢を呼んではオトに負担がかかる。それに、医務室はそんなに広くない。
そんな考えを巡らせるホンゴウはオトの反応を見逃したことに気づかなかった。
「オト！」
髪を天に向けピンと立ち上がらせ、ウタが医務室に飛び込んでいく。
目が覚めるまで面会謝絶。ホンゴウの宣言により船長であるシャンクスでさえ医務室に近づけなかった。
医務室を覗き込むと音がベッドから体を起こし小さな窓から穏やかな海を眺めていた。
「こらオト！寝てろって言っただろ！」
ぼんやりと外を見ている姿勢からオトが動くとこはない。
「オト？」
ベット脇に駆け寄ったウタにも反応を示さないオトの姿に嫌な予感が駆け巡る。
「オト、怒ってる？」
初めて怒られたのが応えたらしい。
反応のないオトがまだ怒っているのだと思ったウタはオトに恐る恐る手を伸ばして袖をほんの少し引いた。
それを微笑ましい兄妹喧嘩と見れたらどれほどよかったか。
弾かれたように振り返ったオトはウタの姿に目を大きく見開いた。こぼれ落ちそうな薄紫が飴玉のように輝いて見える。
「うぁ…？」
こぼれ落ちた音に誰よりも驚いた顔をしたのはオト本人だった。自分の喉や耳を触って仕切りに口を動かすが薄い唇から音が溢れることは無かった。
「オト」
「しゃ、くす…きこぇあい」
傷に触れないように、細心の注意をはらい抱きしめた体は怪我による発熱なんて考えられないほどに冷え切っていた。
聞こえない、なんで、どうしよう、譫言のように繰り返される言葉にどんな声をかけても届くことはない。
「大丈夫。大丈夫だ、オト」
初めて聴かせてくれた泣き声を慰めてやることもできない。
噛み締めた唇から鉄の味が滲んだ。
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トト(プロフ) - 名無しの権兵衛さん» コメントありがとうございます。ノリと勢いだけで書いているのでペースがまちまちですがのんびりお付き合い頂けると嬉しいです。 (2023年1月24日 6時) (
レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権兵衛 - めっちゃ面白いです！いつも更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2023年1月24日 0時) (レス) @page24 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
トト(プロフ) - 穹さん» コメントありがとうございます。にわか過ぎてキャラがいまいち定まっていない気がしていますが、楽しんでいただけていたら嬉しいです。 (2023年1月22日 17時) (レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - とても面白いです✨ライムジュースたちのオトくんへの対応が優しすぎて…🤦♀️応援してます✨ (2023年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トト | 作成日時：2022年12月30日 23時
