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襲ってこない痛みの代わりに何かが砕ける音がした。
「ウタ、怪我は？！」
恐る恐る目を開けるといつも私にだけ向けられる優しい紫がこちらを覗き込んでいた。
「お、オドーごわがったー！」
「うん」
周囲を飛び交う銃弾も忘れて溢れてくる涙をオトが拭ってくれる。
「危ないから、出てきたらダメってシャンクスが言ってただろ」
「う゛ん」
「次からはちゃんと守れるな？」
深く被った帽子の下で少し困ったように眉を下げ、オトはいつも私の我儘を許してくれる。
ぎゅっとしがみついて背中に回した手が波でも被ったようにぐっしょりと濡れたオトの服を握りしめる。
「っ…」
「オト？」
「大丈夫、なんでもない。
もう少しで終わるから、離れたらダメだよ」
「わがった」
鼻をすすりながら頷くとそっと頭を撫でてくれた。
視界を覆うように被せられた帽子がオトの大事なものだと気づいて嬉しくなった。
「まだ敵いるの？」
「ほとんど居ない。後は片付け…」
「ふせろ！！」
誰かの鋭い声が響く。
それと同時にオトに頭からすっぽり抱え込まれた。
その後に起きたことはあまりよく覚えていない。
耳の奥まで響く音と肌を焼くような熱い風、ふわりと体が浮くような感覚があって、気がついた時には甲板に投げ出されていた。
「…オト？」
力の抜けた腕の中から抜け出すのは簡単だった。
「ねえ、オト」
いくら体を揺すってもピクリとも動かない。
どうして、オトはいつも私が呼んだらすぐ『どうした？』って言ってくれるのに
「オトってば！」
何が起きたの
なんで倒れてるの
どうして起きてくれないの
溢れてくる涙を拭おうと持ち上げた手が身に覚えのない赤に染まっていた。
体は軋むように痛いけど血が出るような怪我はしていないはずだ。
なら、この赤はどこから…
視線を上げた先でオトの背後に広がる水溜りが見えた。
「…ねえ、オト、起きてよお…」
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トト(プロフ) - 名無しの権兵衛さん» コメントありがとうございます。ノリと勢いだけで書いているのでペースがまちまちですがのんびりお付き合い頂けると嬉しいです。 (2023年1月24日 6時) (
レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権兵衛 - めっちゃ面白いです！いつも更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2023年1月24日 0時) (レス) @page24 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
トト(プロフ) - 穹さん» コメントありがとうございます。にわか過ぎてキャラがいまいち定まっていない気がしていますが、楽しんでいただけていたら嬉しいです。 (2023年1月22日 17時) (レス) id: 2fbe74351e (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - とても面白いです✨ライムジュースたちのオトくんへの対応が優しすぎて…🤦♀️応援してます✨ (2023年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トト | 作成日時：2022年12月30日 23時
