【祐基】また、いつか #1 ページ15
【祐基】そうして、また訪れる Another story
「あー…ついに…ね、」
『そうだね…』
彼の右手がそっと繋がれる。
だけど
その繋がれた手は
今にも
ほどけてしまいそうなほど
優しくて
弱々しかった。
私たちは卒業式を終え、
そのままクラスの打ち上げに行った。
みんなと過ごす最後の時間はあっという間に過ぎ、
2度と戻らない時間のもどかしさに
胸が苦しくなった。
店を出て、
ガヤガヤしながら帰る集団がいれば
二人で別れを惜しみながら帰る人たち
何の未練もないように一人で帰る人
そして
離れたくなくて
最後だなんて嘘であってほしくて
ここでバイバイしてしまえば
2度と会えないんじゃないかって。
『Aはさ、高校生活楽しかった？』
いつかみたいに
遠くを見据えて口を開く。
該当に照らされる横顔は
今まで見たどんなものより
綺麗で、
眩しかった。
「そうだなぁ…祐基ともっと早く付き合ってれば
もっと楽しかったかも」
って冗談ぽく言ってみた。
『…なにそれ…そんなの反則 笑』
切なげに
ふわっと微笑む。
『そうだ、いつ出発だっけ？』
「来週の、日曜日」
『そっか…お見送り行くね』
お見送りなんて
そんなことされたら行けなくなっちゃうよ。
「やだよ」
『A？』
「お見送りされたら行きたくなくなっちゃうよ…」
気付いたら涙が溢れて止まらない。
幸い一番後ろを歩いていたから
ほかのみんなに泣いてるのはバレてなさそう。
『A泣かないでよ…』
ぎゅっと抱きしめられる。
男の子にしては
少し細めなくせに
しっかりとした腕に包まれる。
『俺も頑張るから、ね？』
「うん」
『一緒に頑張ろう？』
「うん」
いくら暗いとはいえ
街中で抱き合うのは恥ずかしい。
そうは思っていても
涙は止まらない。
『遠く離れてたって
俺たち繋がってるでしょ？』
何キザなこと言ってるんだか
って笑い飛ばす余裕もない。
ようやく少し落ち着いて
ゆっくり離れて向き合う。
「祐基…」
『ん？』
「好き…」
『…俺も』
眉毛をハの字にして笑えば
ちょっと長めのキスをされる。
もう
人の目線なんかどうでもいいや。
祐基、好きだよ。
大好き。
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ぐれまろ - ありがとうございます。待ってます！！ (2016年3月29日 22時) (
レス) id: 30fbe60661 (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - ぐれまろさん» わかりました！遅くなってしまうと思います…申し訳ないです(>_<)気長に待って頂けると幸いです(>_<) (2016年3月29日 1時) (レス) id: 71cb27a5b7 (このIDを非表示/違反報告)
ぐれまろ - すけさんは「全部」、やでさんは「この気持ちは」がいいです。お願いします！ (2016年3月24日 19時) (レス) id: a7a2e7053d (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - ぐれまろさん» コメントありがとうございます、了解しました！どのお話のアナザーがいいでしょうか？ご希望があればぜひお願いします！ (2016年3月23日 4時) (レス) id: 6df3cc253a (このIDを非表示/違反報告)
ぐれまろ - 最高です！ すけさんとやでさんのアナザー見たいです。時間あったらお願いします！！ (2016年3月21日 1時) (レス) id: a7a2e7053d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翼 | 作成日時：2015年5月11日 22時
