【稜雅】もしも ページ38
部屋の整理をしてると
なんだかやたらと重い段ボールを発見。
段ボールを開けてみると
そこには小さいころに読んでいた
おとぎ話の絵本がたくさん入っていた。
「うわぁ…懐かしいなあ」
その中から1冊の絵本を取り出す。
「人魚姫…」
人魚姫はどのおとぎ話の中で一番好きな話で
内容がよく解らないなりによく読んでいた。
最初に目に入ったのも
ほかのと比べて
少し背表紙がぼろぼろだったから。
子ども向けに書かれた内容だけど
それはやっぱり切なくて。
愛する人を選ぶか
それとも自分を選ぶか。
『A？何してるの？』
後ろを振り向くと
ドアからひょこっと顔を出す稜雅。
『何深刻そうな顔してんの』
「えっ」
『だって、泣きそうじゃん』
私、何そんなに考え込んでるんだろう。
稜雅は散らかった部屋を器用に進み、
私の隣に座り込む。
『ん？人魚姫？』
「うん、小さいころよく読んでたの」
『そうなの？見せて』
はい、と絵本を渡すと
やたら真剣に読み出す。
『やっぱ難しい話だよな』
「稜雅もそう思う？」
『うーん…女子って難しいなあって笑』
「そこかよ」
「もしもさ、私が人魚姫だったらどうする？」
なんて、冗談混じりに聞いてみる。
『えー笑
Aは人魚姫みたいに私が助けましたーなんて言わないでしょ？』
「ふぇ？」
予想外の返事に思わず府抜けた声が出る。
「だってようは私が助けたので結婚してくださいって言ってるもんでしょ？
Aはそんなこと言わないし」
『仮にAが命の恩人なら絶対に気づくし』
「絶対？」
『うん、絶対』
目を細めて目尻が下がった稜雅の顔。
私が一番好きな顔。
自分から稜雅の腕にぎゅっとしてみる。
『何 笑 どうしたの？』
『うーん、なんとなく』
不意に稜雅の唇が私の唇に触れる。
『やっぱ幸せだわ』
そう言うと耳を真っ赤にして自分の膝に顔を埋める。
「私も幸せ」
二人して身を寄せあって小さく笑う。
こんな他愛もない関係が何よりも幸せで。
自分の命と
あなたの命を天秤にかけるなんて
きっとそんなことでっきこない。
だってお互いに大切なんだから。
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キャンベル(プロフ) - 翼さん» ありがとうございます、楽しみに待ってます(≧∇≦) (2016年3月1日 14時) (
レス) id: 09fbe386a2 (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - キャンベルさん» コメントありがとうございます！読んで頂けて嬉しい限りです(>_<)リクエスト了解しました、ご期待に添えるよう頑張りますね！Another のほうに掲載する予定です！ (2016年2月29日 23時) (レス) id: 937acfe6be (このIDを非表示/違反報告)
キャンベル(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。いつも読ませていただいています！いきなりで申し訳ないのですが、リクエストさせていただきたいです！祐基さん相手で、「そうして、また訪れる」のような甘いけど切ない感じのものが読みたいです！これからも作品楽しみにしています！ (2016年2月28日 13時) (レス) id: 09fbe386a2 (このIDを非表示/違反報告)
よく(プロフ) - みーさん» こちらこそありがとうございます…！私も恋愛経験とかなかもう頭の中で積んで（（つたない文章で申し訳ないです＞＜リトルガール完結させて書き書きします！ (2016年2月7日 23時) (レス) id: 6437deda46 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - よくさん» よくさん、こんにちは！ そーなんですよ！！だからほんとーに嬉しいです！ わたしは文章力がなく、恋愛経験がとてつもなく少ないので、誰かにお願いするしかないので感謝感謝です(^o^) 楽しみにまってます！ (2016年1月30日 13時) (レス) id: d09dc1a81b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翼 | 作成日時：2015年4月18日 1時
