_プロローグ_ ページ2
鏡夜目線
_ね…さ…_
誰の声でしょうか…
_姉…ま_
わかりません。どうしてそんなに、
悲しそうな声なのですか…
_姉様!_
『きょ…か…』
声が出ない。どうしてでしょう。
鏡花「しっかりして!姉様!」
どうしてそんなに泣いているの。
鏡花「……姉様…いつもみたいに«大丈夫ですよ»って言ってよ…」
言いたいのに声が出ない。
こんなに愛しい人が泣いてるのに、どうして何も言えないの。
敦「鏡花ちゃん!」
嗚呼そうか…私は妹を庇ったのですね。
『鏡…花…』
泣かないでください。可愛い顔が台無しです。
鏡花「姉様!姉様!」
『きょう…か…。』
言いたい事があるのです。もっと近くに来てほしいのです。
鏡花「姉様…?」
『私…の可愛…い、きょ…か…。』
うまく声が出ない。言いたいこともっとあるのに。
『私…たち、は、双子…だから、またきっ…と、逢…ます、から…』
だから…
鏡花「姉様?姉様!」
だから…どうか。
『これ、から…は。私、こと…気にし、いで…幸、せ…なって、く…さい。』
また逢えるまで待っていますから。
『きょう…、だい、きで…よ。』
鏡花「姉様!」
嗚呼、幸せだった。私は今日まで幸せだった。また次に逢う時もどうか、この幸せが続きますように…
_後のその場所には、彼女の妹の悲しい泣き声が残っていた。_
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作者名:神下狛犬 | 作成日時:2019年2月6日 0時