◆盲目の歌姫7 ページ5
海灯祭準備も終わり、残すは明日の当日。璃月の最大イベントに前乗りする各国の人々…
私達の練習も終わり何とか完成させた…
『魈!魈っ』
「どうした?」シュン
『ねぇ、明日海灯祭でしょ?魈も是非見に来て欲しいんだ』
「む…我は…責務がある故…」
『ずっととは言わない…終わった後でもいいからその日に少し会えないかな?』
ちゃんとわかっている。彼から聞いていたから…
祭りの日、妖魔は人が賑かう場所へと集まってしまう
妖魔から人を護るため、より一層警戒しいざと言う時に彼が動かないとダメだから…
『魈の責務邪魔はしたくないんだけど、渡したい物があるの…』
「……分かった。では見に行こう」
『本当!』パァアア
優しく微笑む彼につられて笑うと、頬を撫でられ
「ではな」と言って去って行った
『明日、何が何でも成功させなきゃ……』
考えないように…考えないように…
手が冷たい…
「みーつけた☆」
『ひゃぁあっ⁈⁈』
タンと後ろから両肩を叩かれて飛び上がると
お腹を抱えて笑う彼が立っていた
「あははははっ君は本当に面白い反応するよね?」
『タッ…タルさん…びっくりした』
「脅かしてごめんね?歩いてたら君を見かけてね?」
『い…いつもここで特訓してるの…今は海灯祭に集中したいからってここで練習してたんだけど…』
「緊張しているのかい?」
『うん』
「んー…良い方法を教えてあげよう」
『良い方法?』
教えてくれると言うので、だだっ広い広場の真ん中で
正座をすると彼女はメモを取り出し、メモる体勢へとなった
本人は至って真面目である…が、故におかしな行動に笑いが込み上げてくる
「んふふふふふふっ…ふっ…ちょ…んふふふふっ」
『?』
側から見たら自分の方がおかしいのかと勘違いしそうだった…
「君ね…よく笑われないかい?」
『何で分かるの!えっ?』
「んはははっ……んっ」
ダメだダメだ…笑うのは良くない…
「気を取り直して、こっちで話そう」
『分かった』
いつもの石で出来た机に着くと先程言い掛けた事を話し始める。彼女は隣りに座り同じようにメモを開く
「それはズバリ…嫌いな物には蓋をする事」
『蓋?』
「先生言わなかった?無理な物は避ける事も大事だって…見たくなければ蓋をすれば良い」
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作者名:紺翠 | 作成日時:2023年2月17日 7時