＊番外編＊『初恋』 ページ19
＊In葬式場外＊
士郎)｢やっぱり、まだ寒いや｣
かじかんだ手を僕はゆっくりと擦る。
士郎)｢………｣
一人になってみてわかった。今、僕は悲しすぎて空っぽなんだ。
士郎)｢………お母さん、お父さん｣
空っぽの心だから、涙も浮かばないんだ。
士郎)｢…………｣
僕は黙って綺麗な夜空を見上げた。
〜〜〜
士郎)｢………寒い｣
どれくらい、そうしていただろうか？
士郎)｢…………｣
けれど、まだ動く気力なんてなくて僕は冷たくなった体を軽く擦っていた。その瞬間
ポンッ
肩を叩かれて
あ)｢何をしてるの？｣
そういいながらAは僕の隣に腰を下ろした。
士郎)｢う〜ん。もう僕の傍にずっといてくれる人はいないんだなぁって思ってさぁ〜｣
そういって僕が空を見上げると
あ)｢……そっか｣
そう呟いてAも黙って見ていてくれたんだ。
士郎)｢…………｣
あ)｢……士郎。｣
士郎)｢何??｣
しばらくの静寂後、口を開いたのはA。
あ)｢……私がいるよ!｣
士郎)｢えっ!?｣
あ)｢……私が士郎の傍にずっといてあげるよ!(ﾆｺｯ｣
そういって微笑んだAを見て
士郎)｢…ｳｸﾞｯ…ﾋｯｸﾞｯ…ありがとう……｣
あ)｢えっ!?士郎?｣
僕はやっと泣くことができた。
……──たぶん、この時
…………───Aのたった一言で僕は満たされたんだ。
士郎)｢……ｳｸﾞｯ…ﾋｯｸﾞｯ……｣
Aは泣いている僕を
ギュッ
あ)｢士郎??｣
Aは不思議そうに抱き締めた。僕は
士郎)｢…ﾋｯｸﾞｯ…A…ｳｸﾞｯ…｣
Aのお母さんよりも温かいAにすがって泣いた。
……──僕は
…………─────この時
……────この子を守るんだって誓った。
……───きっと、この時から僕は
……──Aが
……世界でただ一人のかげがえのない大切な人になったんだ。
………───ずっと傍にいたい人なんだって。
ラッキーアイテム
革ベルト
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大雪 嵐 - 最初で泣いちゃってた... (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 275e3a3d1c (このIDを非表示/違反報告)
愛花 - すごいよかったです！でも私の名前あいかじゃなくてまなかです (2017年4月7日 16時) (レス) id: 04f9fddff1 (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - こゆさん» 気に入ってもらえたら、嬉しいです(o＾・＾o)コメントありがとうです。 (2014年12月16日 23時) (レス) id: 9546e088aa (このIDを非表示/違反報告)
こゆ - 泣いた！ (2014年12月16日 18時) (レス) id: 7a7b6f6a54 (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - makiさん» マジですか！？ (2012年8月22日 16時) (携帯から) (レス) id: ce3f68a234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うちわ
| 作成日時：2011年10月31日 20時
