32話目。by86 ページ34
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とある東の国とアベルモスコ王国の
境にあるとある宿場。
その地下では今宵も酒を酌み交わす
連中でごった返している。
いつもはてんでバラバラの方向を
向いている彼等だが今日は違う。
彼等の視線の先のモノはピンク色の
ギターを持った女の子のぬいぐるみに
見える。
しかし、しっかりと心臓はあるし現に
そのモノは動いている。
全員の視線が集まったところで
彼女の漫談が始まった。
「本日は
お集まりいただきありがとうございます
・・・あっ、いつもなんだっけ?
ごめん、私イチゲンさんだから
お手柔らかにね。」
この時点で酒のまわったおっちゃんは
笑いを堪えている。
「遅れました、
私はローザ・プラトリーナ。
そして相棒のアロアロです!」
そして彼女はギターを1和音鳴らした。
客達は指笛を鳴らすなり
歓声を上げるなりして彼女を歓迎した。
普通に寝たい人にとっては傍迷惑
かもしれない、しかし民衆の快楽が
ここには結集するから
どうしようもない。
「さて、アベルモスコ王国の子供王が
眠れる城の王に転職したということで
今日はこのまま私も飲もうかと
思ったんですけど店主さんに
叱られてもアレなのでスケルツォを。
わかります?スケルツォ。
諧謔曲(かいぎゃくきょく)って
言うやつ、あっ、お酒まわってるのに
すみません、あとで
青いヒヤシンスの花束作りますね。」
彼女のトークに笑いがボカボカ
湧いてくる。この熱だったら
湯が沸かせる、ローザはそんなことを
考えるがウケそうにないので先に進んだ。
「ま、『習うより慣れろ』という私が
追放された城がある国
・・・今王がおねんねしてますけど
その国では悪用されている諺が
あってですね。
私はしっかりいい意味で使いますよ、
酒のまわったおっちゃんたちに
諧謔曲を知ってもらうためにね。
それでは聞いてください、
『城の中の大男』。」
彼女はギターを構えて歌った。
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吹雪ほのか@受験生(プロフ) - 更新しました!お話の更新は続編でお願いします! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 694f5d10ee (このIDを非表示/違反報告)
吹雪ほのか@受験生(プロフ) - 更新しまーす! (2019年7月15日 20時) (レス) id: 694f5d10ee (このIDを非表示/違反報告)
86(ハチロク)(プロフ) - 更新しました。 (2019年7月15日 9時) (レス) id: b1210a8af9 (このIDを非表示/違反報告)
86(ハチロク)(プロフ) - 更新します。 (2019年7月15日 8時) (レス) id: b1210a8af9 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - 更新しました (2019年7月14日 22時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吹雪ほのか@ピノさま | 作者ホームページ:なし
作成日時:2019年7月5日 20時