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18話目。by Mashiro Lio ページ20



一方その頃。


「怒られちゃったね……」

「うん……」


勇者の一団に漂う空気は、かなり重苦しいものだった。


「やっぱ、正攻法じゃだめなんだよ、きっと……」

「でも、あれしか無くない?」

「だよね……」


と、そのとき。


「ムニー!」

「す、スライム?」


1体のスライムが現れた。いわゆる、エンカウント、というものか。簡単に倒せるような、サイズの小さい個体だ。
さっそくフィルテが、シャラン、という音も涼やかに剣を抜く。


「待ってフィルテ」


スライムに剣を向けるフィルテを、リルシェが制した。


「なんだよ、リィ」

「ちょっと考えがあるの」


リルシェは、左手剣を抜くと、スライムの前に横たえ、手をかざす。


「《光よ照らせ、この子の心を》!」

「光魔法……! しかも、読心…………!?」


剣から溢れる光に、アイリスが、目を見開く。


『ニンゲン、テキ。ニンゲン、テキ。マオウサマ、バンザイ、バンザイ』

「魔王様は、なんとおっしゃったの?」

『ニンゲン、タオス。オウゾク、キゾク、ミナゴロシ。ゼンメツ、ニンゲン、ゼンメツ』


リルシェの手が、ぴたりと止まる。


「人間、全滅…………!?」


それを聞いた2人も、驚愕に目を見開いた。


「人間全滅だって!?」

「そんな…………!」


その間にも、スライムはうにうにと揺れ、丸い目をつり上げる。


『ボクラノオウヲコロシタ、ニンゲン、コロス…………!』


スライムが、リルシェに飛びかかる。


「リィ! 危ない!!」


フィルテが間に入り、スライムを斬り伏せた。


「リィ、大丈夫? 怪我はない?」

「ありがと、フィルテ。おかげで助かった」

「それはよかっ、…………!?」


フィルテが、再び剣を閃かせる。
先ほどのスライムが、斬られたことで分裂していたのだ。


「斬�が通じない…………!?」

「さっき斬ったせいで分裂したんだ、きっと。……リィ、魔法は使える?」

「…………やってみる」


リルシェは、一歩前へ出ると、左手の剣を空へと突き上げた。


「《轟け雷》、《駆けろ光》! 我が敵を倒したまえ!」


詠唱を終えると、バチバチ、ドンッ! と音がして、スライムに小さな雷が落ちる。雷は小さいが、スライムを構成する大部分は不純物を含んだ水。そのため、容易に電気を通すのだ。小さな雷でも感電させるには充分だった。


『ニンゲン…………ツギ、ハ……コロ…………ス…………』


それだけ言い残して、スライムは消滅した。

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吹雪ほのか@受験生(プロフ) - 更新しました!お話の更新は続編でお願いします! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 694f5d10ee (このIDを非表示/違反報告)
吹雪ほのか@受験生(プロフ) - 更新しまーす! (2019年7月15日 20時) (レス) id: 694f5d10ee (このIDを非表示/違反報告)
86(ハチロク)(プロフ) - 更新しました。 (2019年7月15日 9時) (レス) id: b1210a8af9 (このIDを非表示/違反報告)
86(ハチロク)(プロフ) - 更新します。 (2019年7月15日 8時) (レス) id: b1210a8af9 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - 更新しました (2019年7月14日 22時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:吹雪ほのか@ピノさま | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月5日 20時

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