【合作】"そうぞう力"と"友情"の物語。 (ページ14)

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12話目。by Mashiro Lio ページ14

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「え、ちょっと！ここさっきも通ったんじゃないの!?」

「ええ、そうですね…………」

ゴブリンとのバトルをなんとか終えて、森を抜けて街に行…………こうとしたあたし達は、今度は曲がりくねった森の道と悪戦苦闘していた。

ガサガサッ

「きゃああああぁぁぁっ!!」

「いやリィ、ただの蜘蛛だよ？ゴブリンよりよっぽど危険ないけど」

あたしの蜘蛛嫌い発動。
あたしは、蜘蛛だけは苦手なのである。

「いやだって、蜘蛛怖いじゃんっ！」

「それは………………あれ、何だ？」

フィルテが指す方向には、光。

ついに、森から抜けたのだ。

「フィルテ、アイリス！やっとついた！街だよ街！」

「ええ、やっとついた…………！」

「やっとだな…………！」

2人も、目を輝かせる。

あたし達は、疲れも忘れて走り出した。

ーーーー

その街は、あまりにも平和すぎた。

街の人に話を聞いてみると、「ブラッド・ディザスター」とかいう人が、街を守っているらしい。

アイリスに占ってもらい、街外れの森へと入る。

「なんか、不気味だな…………」

「…………ええ」

「やけに物騒な雰囲気ね…………」

鬱蒼とした森を歩く。

さっきまで、迷路のような森を歩いていただけに、余計に不安感が募った。
と、そのとき。

どこかから、音が聞こえた。……いや、声かもしれない。

｢2人とも、静かに！ …………何か聞こえる｣

｢何か…………？｣

｢とりあえず、行こう。もしかしたら、ブラッド・ディザスターかもしれない｣

｢そうだな｣

音(声？)のする方へ、駆ける。
行きついた先には…………

ガキンッ

魔族の持っていた武器を、いとも簡単に剣で跳ね飛ばす男性だった。

｢消えろ、ウジ虫風情が｣

ザンッ

｢ギャアアアアァァァ!!｣

悲鳴を上げて、魔族は消滅した。

男が、ゆっくりと振り向く。

その真っ白い頬は、漆黒の服は、禍々しさを纏った巨大な剣は、真っ赤な血にまみれていた。…………否、不吉なほど大量の赤黒い血が、滴っていた。
きっと、先ほどの魔族を倒したときの、返り血なのだろう。

まさに、『その名』を冠するに相応しい容貌。

｢血塗れの破壊者(ブラッド・ディザスター)…………｣

あたしは、無意識に呟いていた。

男は、その鋭い三白眼で、ギロリとあたし達を睨む。
発せられた低い声は地を這うようで、あたし達全員をすくみ上がらせるには充分だった。

｢貴様ら、何者だ…………？｣