【小説】転生者達の高校ライフ

○29話〈スオーナ〉 ページ29

陽さん、という男の人が優しく説明してくれた。
要するに、私たちはこの学校で1年間、人前では能力を使わずに勉強やスポーツをして過ごす、という事みたい。
説明の後、各自の部屋に連れて行ってもらった。

「わぁ、質素ですね！」
シンプルなベッドと机のみの殺風景なお部屋。でも、これから自分でアレンジできるの、楽しそうだな〜！
私はワクワクしてしまって、無駄を承知で部屋を散策する。

……さすがにもう飽きてきたので、私は集合場所に行くことにした。

部屋から足を踏み出すと、ちょうどシルが部屋から出てきた。

「あ、シル！一緒に行きましょ！」
「おう、いいぜ！」

シルと仲良く喋りながら玄関へ向かう。

「シルの銀髪…、みんなにはわかんないんですね、綺麗なのに…。」
「スオは茶色になったけど、そこまでの驚きないかな。もともとピンクよりの茶色だったし。」
「制服可愛いですよね！シルによく似合ってます。」
「スオも可愛いぜ〜！」

私は生まれてこのかた『制服』というものを着たことがない。それにこの制服は可愛い。レベルは無くなったけど、楽しめそうでよかった…。私は心の中でほっと息をついた。


外に出てみると、さっき自分達が帰れないのか、と聞いたひとつ三つ編みの女の子と、さっき主に何をするのか、を聞いたサイドお団子の女の子が、男の子と一緒に喋っていた。
邪魔しちゃダメかな？でも、お話ししたい！
私は勇気を出して声をかけた。

「あの、私、スオーナっていいます！よろしくお願いします！」

すると三つ編みの女の子はちょっとびっくりしてから、

「スオーナちゃん？私、アリス・グラヴィダ！アリスって呼んでね！」
「あたし、フィーナ。よろしくね。」
「俺はノエル。よろしく！」

アリスちゃんに、フィーナちゃんに、ノエルくんか…。するとシルも自己紹介。

「僕はシルヴィア。よろしくな！」

早速知り合いが出来て良かった。
とりあえずこの1年間、楽しんじゃおう！
私は意気込んだ。

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アリスちゃん、フィーナちゃん、ノエルくん、シルヴィアちゃんお借りしました！

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