キミのこと好きだから (ページ8)

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君の優しさに触れたからページ8

ここは、

「撮影場所じゃん。」

『そうだね。』

「なんでここに？」

持っていたギターを弾き始める。
その音色は少し悲しげなでも落ち着くような
音色に変わりゆく。

『元気出た？』

「え？」

『僕、ここで歌うたってて今はドラマの撮影で

使えなくて。でも、君が出てるって知って

いつも通るんだ。君の頑張ってる姿見ると

僕も頑張ろうって思えるんだ。

だけど、最近辛そうだから。』

勝手に涙が溢れ出す。

「あれ？可笑しいな。涙が...」

こんなはずじゃない。

『強がってばっかじゃしんどいよ。

僕の前だけでもいいから弱い君でいて。ねっ。』

頭をポンポンと撫でる。

私が私じゃないみたいで。

「ねえ、まだ大学生なんだよね？」

『一浪したけどね。』

「私たちずっと昔にあってる

みたいな雰囲気だよね？」

『うん？』

「自然にこう話できてるし君も

私に優しくしてくれるし。」

『だね。』

翌日

昨日のあれは夢だと片付ける。

夢であれそう願う。
鏡を前にすると目が腫れていた。

「やっぱり...」

夢じゃないんだ。

［朝からどうしました！］

「はぁ...最近、夢と現実がわからなくなってるわ。」

［難しい悩みですね。占いとかはどうですか？

紹介しましょう。よく当たるんですよ！！］

「ホント！！」

＊

変装をして占いをしてもらう。

占い師〝あなた！！仕事は成功するわ

私が保証する〟

「ホントですか？」

半信半疑に信じてみたいけど
所詮占い師。

占い師〝私のこと信じてない顔だね

じゃ次は何を占う〟

「私30歳なんですけど出会いあります？」

占い師〝出会いはあるわ。あなたの

その性格じゃ男は寄ってこないわ

あなたは真面目だから本性を表に出さないタイプ

もっと楽に生きてみてそうすると男が寄ってくるわ。

ってかもうそばにいるわ〟

「またまた～～！」

えっ...誰？

後輩くんはないし
マネージャーもありえないし

先輩俳優？？？？？

あっ...

占い師〝選ぶのはあなただから〟

＊

父〝またこんな遅くまで〟

『ほっといてください。』

父〝誰に向かって言ってるんだ

名門大学に入ってろくに講義に出ないで

そのギターで遊んでるのか〟

『だったら。自分の子供の夢を応援するのが

父親でしょ。』

バシッと頬を叩かれた。
悔しくて家を飛び出した。