キミのこと好きだから (ページ14)

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初キッスは涙の味ページ14

次の日に出たドラマ視聴率が
地上波で一位に輝いた。

＊

大学

【おはよう。今度サークルで飲み会あるんだけど

参加者多い方が盛り上がるから来ない？】

『暇じゃないから。』

【はぁ...】

いつもの場所には撮影クルーがいなくて

『ここ撮影終わったのかな？』

いつもここを使ってるけど
急にいなくなると寂しい。

歌を歌い始める。
久しぶりにここで歌えた喜びに、

〝兄ちゃん上手いじゃないか！

もっと注目されるべきだよ！〟

そのお年寄りの方は僕に1万円をくれた。

『ありがとうございます。ありがとうございます。』

そして

『あっ。』

「今日は休みだったの。」

『もうここ使わないの？』

「うん。好きなだけ使って。

あなたの迷惑にはもうならないから。

私たちもう会うことできないから。」

『どうして？』

「そりゃそもそもただの顔見知りだけじゃん。」

『そうかな？』

「そうよ。あなたがあの日

私なんかを家にまで送るからよ。」

『僕が悪いってこと...』

そうじゃないのに...
彼に会うと仕事に集中出来なくて、

『じゃあさ、最後に一緒にご飯でも食べない？』

僕の行きつけの居酒屋に行った。

「いいわね。居酒屋！」

お酒を飲みながら他愛のない会話を話しながら、

「岸くんはあれでしょ！！」

アルコールのせいで初めて呼ばれた名前。
ちょっと嬉しくて。

「24歳だっけ？キスの

1つや2つしたことあるでしょ！！」

君は酔っていた。
僕もお酒を飲んだがあまり酔わなかった。
でも、変なことを聞くから頬は桃色に染まる。

「ねえ、聞いてるわけ！どっちなのよ！」

どうして今なの？

『僕のキスのこと聞いて何になるんですか？』

「キスシーンがあるわけよ。

私人生でキスしたことないから君に聞いてるわけ。

本当にたらこみたいな唇なの？」

ドヤ顔で僕に聞く。

『そりゃキスの1つくらいは。』

うわぁと泣き出す。

「裏切り者。」

『じゃあしますか？』

「なにを？」

と呟いた瞬間

唇が重なり合った。

初キッスだった。

今日で私の記憶の中からあなたを消すって
決めてたのに切なすぎるよ...

一雫の涙がゆっくりこぼれ落ちる。