君の心に触れたい (ページ4)

今日:12 hit、昨日:3 hit、合計:5,236 hit

ep4:涙雨の晴れた空ページ4

「きた。」

〈お前、〇〇だろ？〉

〝誰だお前たち！〟

「可愛い弟をよくも殴って！」

と、そいつを蹴り飛ばす！

〝何すんだよ！〟

「私の弟を殴ったからだ！！！！」

〝この女が！！〟

　

殴り返されると、

〈殴るなら俺を殴れ！！〉

慎太郎は私の代わりに殴られた。
うずくまる私たちの前に手を出さずに表情変えずに
立ちすくむ男がいた。

心の中で、

「あいつ前も手を出さなかった。やっぱりボスだ。」

傷だらけになって帰って来たらお母さんが私に、

〝また喧嘩！！もっと華わいげのある女の子になりなさい

今度傷だらけで帰って来たらうちに入れません〟

「私は十分可愛いよ。なぁ！駿佑！！」

〔姉ちゃんはかっこいいよ！！〕

お風呂に浸かると傷が染みる。

「あいつ気に入らない。手を汚さない負けものが！」

それから数日後。

雨がポツポツ降る。

「あっ...」

まだ傘立てに返せていない傘がある。

「目黒蓮。いい名前だなぁ...」

忘れられないあいつのこと...

学校に行くと、

〈傘買ったのか？〉

「あー、これ。違うよ！！返すの忘れてた傘だ。」

出会うと思って使ってみた。
雨だから気づいてまた来るって信じていたから。

〈へえー。〉

「あっ、そうだ。前にサッカーの試合観に行ったろ。

その時にさ。相手の中学に目黒蓮っていなかった？？」

〈目黒蓮...漫画の主人公みたいな名前だなぁ。

さぁー？知らないな！〉

「そうか、あったら返したいんだけどな。」

雨は一向に止む気配はなかった。